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駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった
逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
人影絶え
陽炎立ちゆらぐ道
夾竹桃だけが
問いかけるように咲く
流れる汗拭おうともしない
これからのこと考えると
ただ、ただ胸苦しくて
先を急ぐ
額縁のような夕闇
これからど ....
慰めの言葉をかき集めるつもりの帰省で
何のことはない
旧い友人たちを精一杯なぐさめる酒を飲んだ
思えば卒業をきっかけに
故郷を彼らに押し付けて
都会へ来た俺はまだ幸せものだったのかもしれない ....