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厚手のコートを脱いだら
するららと
時間が落ちて
あなたに一歩近づく
梢の蕾がふくらんだら
するりりと
時間が落ちて
あなたに半歩近づく
約束の日は近くて遠い
ほんのり焦 ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈
山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
....
この世のうわずみを
あらかた舐めてしまった
僕は
もう
面白がらなければ
何も面白くないし
欲しがらなければ
何も欲しくない
この世のうわずみは
どれも同じような ....
連休の飛石に
ぽつんと取り残された
ニュートラルな朝
激しい雨と雷鳴に
追い立てられるように
夏は逝った
あまりに唐突に
ぽろんと吐き出された
肌寒い空白
断末魔の雨音と
....
上澄みをそっとすくって
綺麗な挨拶をした
下心を揺らさないように
洒落たお世辞を言った
左旋回をしながら
美味しい笑顔を振りまいた
右向け右を向いたまま
爽やかなジョークを投げつ ....
摩擦子音+母音の
「す」
を発音する時の
舌先をすり抜ける息の
すがすがしさが好き
破裂子音+母音の
「き」
を発音する時の
喉の奥で突き放す息の
いさぎよさが好き
「すき ....