すべてのおすすめ
早朝
周囲があまり静かなので
ちゃんと他の人が生きているかどうか
確かめるために
始発の電車を見に行く
路上に
昨晩お酒をのみすぎた人が
うつ伏せに倒れている
マネキンみたいだ ....
今日は僕の家に泊まる?
「うーん・・・」立ち止まって考える
気を利かせた車が 僕たちの前で停まる
でも 考え込んだまま 止まったまま
車の運転手の不思議そうな顔
....
大雨、にワイパーを動かさずぼんやりする信号待ち
君が隣にいないと「この雨男」って怒れないよ
私が運転席なら君は助手席にいなきゃ嫌
好きなお買い物も写真だって君が居ないと楽しくないよ
…変な ....
ふきっさらしの橋の上は
厚着をしていても寒く
あんましその場に 留まりたくない
早足で駆け抜けようとした時
地べたにうずくまっている
毛布に包まった塊が
ぺこん とお辞儀した
ここは ....
そっか
もう
ダイエットなんて
しなくてもいいんだ
ぶくぶくに太っちゃっても
いい化粧品を買わなくてもいいんだ
きれいになるように
肌の手入れをしなくても
おしゃれもしなく ....
あなたはプリンを買ってきた。
一番小さなコンビニ袋をひょいと持ち上げる。
困ったみたいに笑う。
かわいい奴め、とわたしは思う。
「信号の赤がさ、怖くてさ」
誰かも言ってた ....
あかりを 消して
ひらいたら きずあとを
指で なぞって
たがいの からだを
すみずみまで 読む
朝日は頬をたたくように照りつける。
ぐしゃぐしゃの髪をさわると、
よく頭を撫でてくれたあなたが想われる。
素敵な朝は、さみしい気持ちでみたされる。
顔を洗って、太陽に引っ張られた頬 ....
殺していい
そう聞いたら
やだ
笑いながら答えた君が
僕の首を絞めながら
笑っている
ちょっと切なくて
ちょっと幸せ
大好きだよって
あはは
蜃気楼を信じて
砂漠に打ち上げられた鯨
現実から逃げ出して
淡水の夢を見たけれど
安らぎは
もっとずっと
遠かった
求めたものと
与えられたものと
砂粒みたいに
隙 ....
父が逝ってしまったあとも
私たちは変わらなかった
私は
時々メールを送る
ふるさとの母に宛て
その辺の草木とか
カシャリ、と撮って
しばらくして
母が大げさに
電話をして ....
もう歯磨きしたのに溶けかけたあめを
口の中でくちゃくちゃしながら
片手で携帯をいじってる
時々カレンダーを開いて
時間も気にしながら
やわらかい布団が眠気を誘う
負けそうになりなが ....
「いつも側にいるよ」と 君は言ってくれるけれど
不安は 消えることなくつきまとうんだ
突然 君が 交通事故に巻き込まれたり
細い躰が 大きな風に吹き飛ばされちゃうんじゃないかって
心配 ....
優しいフリをしたあなたに
慰められたフリをした
このままそばにいてくれるフリをしたあなたに
大丈夫なフリをした
気を使うフリをしたあなたに
感謝するフリをした
部屋から出て ....
今夜眠れないのは
熱帯夜のせい
ううん違う
だってエアコンだってついてるし
たぶん
明日のデートのせい
パジャマになっても
明日着る服を
まだ選びかねてたりして
明日 ....
雨が季節を変えていく
寒いほどの涼しさを携えて
降り続ける雨は
万物に等しく降り注ぎ
木や花は
久しぶりの雨を
むさぼるように
乾いた大地は
雨を吸って潤い
人々 ....
6月が
綺麗に敷き詰めた玉石を
7月は
蹴散らして突き進んで
8月が
全て壊すから
6月は
悲しみに身を投げて
9月に
生まれ変わって
また
繰り返して
....
「ボクの一生とは関係ない」
そうきっぱり言い切ったあなたが
ほんとに好きだったんだ
そんな風に
はっきり言えるところが特に
わたしはその時
ブランコ漕いで
どこ吹く風でわらっ ....
今日のデートの話題は 『宗教と法と税金』
話を聞いている僕は楽しいけれど
うなづいているだけの僕に飽きてないのかな
あまりにも無知らしい僕に 母親は「新聞を読め」と言い
兄は「ニュ ....
ふたり向き合って立ちつくした
夕立の中
ごめんね
サヨナラをいうのが
遅かったね
キミはハンドバックから
夏の名残りのキャンディーを取り出す
なかなか紙が剥がれない
そう言って ....
だあれもいないところで
なあんにもないところで
泣きたい。
目が腫れあがるまで
泣きじゃくりたい。
けれど
そよ風が
「お静かにお願いします」
遠くに住む母からの電話
....
やまのおくからウグイスのこえ
うまくなけないウグイスに
がんばれ がんばれ と 縁側から おばあちゃんのこえ
ほーほけきょ
うまくなけた ウグイスに
おじょ ....
たとえばボクがキミになったら
どんなことを感じるだろう
ボクはキミになりたい
何を悲しく思い
何を恐れ
何を美しいと思うのか
キミになりたい
雲を見て喜び
虹を見て ....
剥離する夏と
隣に立つあなたの
好きな花は桜
夏は蝉しぐれの木に変わる
あの
時間を燃やす歌声が
肌に刺さって
泣いたのは
悲しかったからじゃなくて
羨ましかったからだと
....
弱くなりたい。
弱くなりたい。
一人で居れる。
強さは要らない。
突然の夕立に君の髪が透けるから
僕は君が消えないように
抱きしめる事しか出来なかったんだ
錯覚をかさねて
すすんできた
そして、またしても
錯覚
たぶん、どこにもたどりつけない
だがふりかえって、
遠く、残してきた
いくつもの分身に
ほほえみかけることならできる
....
夏から手紙が来た
こっちはもう夏だぞ
ここだって夏なんだよ
手紙に向かって言い返す
今年も広い夏になっているぞ
そういえば都会の夏は狭苦しい
こっちにくる時は
....
愛したいものがそこにあります
守りたいものがそこにあります
だから私は泣くのです
離れないでと泣くのです
愛していた場所はここです
守りたかった場所はここです
だか ....
涙を拭いた君は くしゃくしゃになったティッシュを
燃えないゴミ用のトラッシュボックスに投げつけた
燃える用のやつに入れなきゃだめだよ
僕が久しぶりに搾り出した言葉は
後悔さえ出来そうにない ....
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