シャーペンの最後にいつも残る
出てこなくなった7ミリメートルは
言えそうで言えなかった言葉
書けなかった最後の言葉
捨てられずに残していたら
いつ ....
じぶんを さがして
いるんじゃ ないんだ
世界との愛憎の 発熱する
断層に さわりたい
だけなんだ 舌で
梅雨が明けたそうで
なにより
と
街を歩く
と
至る所で
白い携帯電話を手にした人を見た
どれもこれも白一色で
夏空の雲みたいだ
白でなければ
つながらない話があるようで
....
改札を くぐれば終わりの恋だけど
振り返らないイジワルなひと
なんか嫌な予感がして
目を覚ました。
ら、オッサンが枕元に正座しており。
めんどくさいけど突っ込んだら神様だって言う。
これ水木しげるの世界きたよ。
貧乏神か貧乏神だなと問い詰め ....
成長しない生き物と浜辺を歩いた。
あ、願望を乱射している、
と気付いたのだけれども。
海に巻き込まれて記憶は消えていくのでした。
無関心でホームラン。
明日も電車は出るんで、しょう、なぁ ....
空が滲んでいる
夏の午後の昼下がり
遠くからだんだんと自分の方へ
その暗闇が近づいてくる
あっという間に
滲んだのは空だけではなくなった
明確だった単語や熟語の中を
その雲は浸透してくる ....
鏡面に 旗をたてる
ここから さきでは
ことばが 失効する
わたしを きれいさっぱり
拭いとってから 前進する
壊死した指先は
君の胸に疼く爪痕さえ残せない 。
陳腐な歌しか吐けない唇は
いっそ腐肉と呼んで
腐り落ちたところを
喉に押し込んでしまおうか。
嗚咽 ....
夜毎の囁きも 遠い記憶
触れた手のぬくもりも忘れてしまいそう
あの日と同じタバコのにおい
あの日と同じ雨の音
傘の向こう側
遠い視線を追いかけて
薄い雲の隙間から見 ....
乾いた灰を
ふるい積もらす
都市の息吹
鋼鉄とガラスの高層ビルの輝き
ターミナル駅の喧騒も
ジーゼルエンジンから吐き出される
車酔いの成分も
灰として積もる
夜の煌びやかな ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて
恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
....
やせた、やせた
七キロやせた
わたし、ちょっと綺麗になったみたいよ
そして
あなたのこと、やっと忘れられたみたいよ
さようなら
ポテトチップス
グミ
チョコレート
キャンディ
....
街灯に蛾が群れている
明滅する明かり
雲がさあっと横に分かれて
月が顔を出した
誰もいない
蛾がひっそり群れている
角からぽーんと勢いよく
何かが飛び出した
赤いビニー ....
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