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大惨事が起こるその瞬間
世界は目を閉じる
そして
後からくる絶叫の前に
世界は耳を閉ざす

やがて
時間という距離を経て
世界はそれを歴史と呼び
記念碑を建て記念日を定める
見もし ....
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか

古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
春の公園に満面の笑みが咲く
お花模様のワンピースでタンタカタンタカ
お砂場までもタンタカ行進だ
お日さまが照らす世界はこんなにも広い
驚くことはあっても怖いものなど何もない
ほらほら お友だ ....
     雨の匂いがする
      川沿いを下る道すがら

     梅も桜も木蓮もまだ閉店中
      一度に咲こうとしめし合わせているのだ

     雨の匂いがする
      ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
ひねくれて咲いた花は
つまらない冗談を浴び
触れない風潮にそよぎ
良く肥えた嘘に根を張った


 罌粟より見開いて
 月よりもあぶなくて
 桃よりも貪欲で
 嘘のようにやわらかい
 ....
インターホンの向こう
奥さんの返答が聞き取れなくなる
営業妨害の嫌なサイレンだ
気がつけば風にのって煙の臭いが満ちてくる
ますますサイレンが近づいて来た

    火事だ!

道路向か ....
冷たい雨が降ってきた
おれは黒々と木のようで
 心臓だけがガス灯
何を照らすでもなく ぼんやりと立っていた


小さな春は震えていた
おれの心臓に寄り添い 冷え切ったからだを温めた
 ....
時折 背負った荷物をすべて下ろしたくなる
 そしてまぼろしの中の風のように
 異邦人たちの衣を揺らしながら
  何も持たずに消滅したい

時折 鳥となって旅路の終わりへと飛び去りたくなる
 ....
     四月  灰色の午後
    
     湿った雪が舞っている


    人生で何度目のことだろう
   
     心は鉛の錨となり

    失望の海に深く下ろされてい ....
いつも表情を崩さない
お利口な君のこと
そりゃあ嫌いじゃないけれど
中身をちょっと覗いてみたくて
  一刀両断! 
スパッとやらせていただきました

中ら出たのは意外や意外
小粋なドレ ....
突風が春の入城を告げ知らせ
冬の残党は最果ての地へと追われて行く
変わることなく季節の車輪は廻る
時のレールを 一方向に

樹木もまだ裸のころ
花よりも先に咲く少女たちは明るい色の服を纏い ....
「……殺して 早く」
  
  「何も 殺さなくても」

「いいから殺して! 」

  「ねぇ 見逃してやろうよ」

「"それ″私のどっちが大切なの」

  「そっ そん ....
心の中では土足で暮らし
裸足で世界を歩き回る

ぼくは人間

月のように出たり隠れたり
雨になりまた雲になる

そんな人間

あなたもまた一個の太陽
少しずつ周りを温めながら
 ....
夜明けの明けの
ほのあおい闇と光の均衡に
無垢なクラゲが部屋を舞う
流れるままに漂って
夢から溢れたクラゲが舞う

夜明けの明けの
ほのあおい夢とうつつの端境に
大きなクラゲが天井を過 ....
誰か止めればよかったのに
投石器に自分の箱庭みたいな心を乗っけて
あいつは遠くへに飛んで行ってしまった
ほらそこのベンチ 降り積もった火山灰
虚ろなカタパルトがじっとしている

誰か止めれ ....
今年もこの日がやってきた
例年と同じ農園のビニールハウス前に
イチゴ狩りに魅せられた老若男女二十数名
斜に構えたり 無言を装ったり
だが皆が高揚を隠し切れずにいるのだ

農園の主人は愛想笑 ....
両の窓から見えるものはみな不確かで
ぼんやりと光に融け出しているようだ
心は焦げ付いた鍋のように
そのまま冷たく放置されていた

  杖をついて 
   時が行き来する

  昭和 ....
この日は特別なのだ
人々は痛みと悲しみを共有し
信じる神を持たない人々も
祈りを捧げずにはいられなかった

この一年
多くのボランティアが汗を流し
沢山の これから が話し合われ
かつ ....
エイハブの 煮えたぎる執念はない
サンチャゴの 生業における死闘もない
ただほんの一瞬
銀色の飛沫 宙に身を躍らせた
美しい魚の姿
七色の光の欠片をまき散らし
碧き海原に滑り込んだ
海の ....
眠りがフクロウのようにさらって行った
わたしの寝顔を照らすのは
月や星ではなく
まるで深海魚のよう
自らのいのちの灯にほかならない


闇の毛布に包まれた
記憶の中の光彩は
彗星のよ ....
あと 一つ
それで完成

そう思った瞬間

倒してしまった!

しゃっくりみたいな声を一つ漏らして
あとは動けない からだがこわばって
ドミノは時間を遡り
駿馬のように駈け上る
 ....
学園都市線の高架下
灰色の橋脚に二羽の鳩が仲睦まじく
寄り添ってはキスをして
激しく身をよじってはまたキスをして
やがては重なり 羽ばたきながら

気の早い春が固い雪を緩め
茶色く水っぽ ....
太陽を食べながら
冬晴れの冷気を泳いで行く
空に笑いかけて
わたしは噴水のように歌っている

土地っ子のヒヨドリも
旅行者のツグミも
わたしとともに歌っている
白樺も我を失うほどだ
 ....
人生は手紙
読み進むごとに
春夏秋冬喜怒哀楽
答えは最後のお楽しみ

人生はビリヤード
当たり当たられ飛んで行く
誰が誰を動かして
こいつがどいつに影響されたか
白玉だって分かりはし ....
こんな朝に
カラスのカの字もありゃしない
太陽はふやけた面の木偶の坊だ
白い国道の上
黒いおまえは完全に死んでいる

暗がりのおまえは
いつも何かを舐めていた
おまえが前を横切る時には ....
今夜こうして詩を書くけれど
世界中にある様々な不条理や
悲しみや痛みを知らない訳ではない
この国を覆う様々な矛盾も
今こうしている時にどれだけ多くの人が
不安に慄いているかも

ただ今夜 ....
あなたが仮に
桃色が好きだとして
桃色の服や靴
桃色の家具と桃色の壁
すべてを桃色に塗りつくしたとして
それでも気がおさまらず
全人類を
全世界を
空も海も
存在するものの全てを桃色 ....
雪が融ければ ぼくは
陽射しを探しながら
現れた冬の排泄物に
いつものようにがっかりするだろう

春が 出入りする雀のように
あちこちでさえずる時
ぼくは自分の年齢を思い出して
陽炎が ....
わたしはロボットになりたい
身も心も疲れ果てたとき
気力を失い起き上がることすら儘ならぬときでも
いつもと同じリズムとトーンで
自分の務めを果たせるように

わたしはロボットになりたい
 ....
殿上 童さんのただのみきやさんおすすめリスト(397)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠く逆光を浴びた背中からは- ただのみ ...自由詩11*12-5-2
HOLIDAY- ただのみ ...自由詩25*12-4-29
とかく嫌いな人のことはあまり知らないものだ- ただのみ ...自由詩11*12-4-29
_いつかは虹を見るだろう- ただのみ ...自由詩12*12-4-26
黄金の花嫁- ただのみ ...自由詩28*12-4-22
時代の日陰の奇妙な花- ただのみ ...自由詩14*12-4-18
その笑顔が忘れられなくて- ただのみ ...自由詩14*12-4-16
つぐない- ただのみ ...自由詩22*12-4-13
乖離したものが_いま_月のように弧を描き- ただのみ ...自由詩26*12-4-9
__尽きぬ恵み- ただのみ ...自由詩20*12-4-7
マトリョーシカ- ただのみ ...自由詩18*12-4-3
遅れる時計- ただのみ ...自由詩15*12-4-1
今は家族で一人だけ- ただのみ ...自由詩11*12-3-28
尊厳は人を手放しはしない- ただのみ ...自由詩9*12-3-25
潮流- ただのみ ...自由詩14*12-3-22
誰か止めればよかったのに- ただのみ ...自由詩8*12-3-21
イチゴ狩り- ただのみ ...自由詩9*12-3-18
春の悲哀- ただのみ ...自由詩13*12-3-14
石膏像は見せかけの黙祷をする- ただのみ ...自由詩11*12-3-11
魚の群を追いかけて- ただのみ ...自由詩10*12-3-10
深海魚は固いベッドで横になる- ただのみ ...自由詩12*12-3-5
時間ドミノ- ただのみ ...自由詩16*12-3-4
鳩は人より情熱的だ- ただのみ ...自由詩16*12-3-1
輝く日に- ただのみ ...自由詩15*12-2-29
人の数だけいろいろあるけど- ただのみ ...自由詩20+*12-2-23
ジンクスが死んだ朝- ただのみ ...自由詩25*12-2-19
すこし話しがしたいんだ- ただのみ ...自由詩16+*12-2-13
それほど悩むことではない- ただのみ ...自由詩9*12-2-11
春はその子供たちを見つめ続けている- ただのみ ...自由詩11*12-2-5
もしも_なれるものなら- ただのみ ...自由詩9*12-1-31

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