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鉛筆の芯を、削る。
何処までも鋭く、削る。
(誰かを傷つけるのではなく)
{ルビ褪=あ}せた現実に、風穴を空ける為に。  
CDのジャケットから取り出した
ブックレットのモノクロ写真は
だだっ広い空の下を
何処までも伸びゆくハイウェイ

目的地へとひた走る、旅の車
ハンドルを握る、目線の先
一瞬
黄色い蝶が ....
海岸沿いを走る車は、山道に入り
坂を上る、木々の葉群の隙間に
一瞬、輝く太陽の顔は覗き

夜の列車のドアに凭れた窓から
ふいに見た、夜空に浮かぶ
ましろい盆の月は夜を照らし

――昼も ....
君の存在の只中にある
方位磁針は
すでに示している。
カルマの暗闇を越えた、この世の桃源郷を。

――first inspiration――

それは未知への世界に
わなわな震える・・ ....
「禅ヒッピー」という本の中で
遥かな山並みに目を細めつつ
なだらかな麓の道を、二人は往く

――何だか最高の気分さ、ジャフィー
――日々の道と同じ空の下だよ、スミス

「比較とはおぞまし ....
二十年前、富山に嫁いだ姉の結婚披露宴で
お約束通り、親父はウェディングドレスの
裾を踏んだ。十代だった僕は、ポケットに
手を突っこんで「贈る言葉」を歌った。

最後の挨拶で新郎のお兄さんは、 ....
真夏の{ルビ陽炎=かげろう}揺れる
アスファルトの、先に
琥珀に輝く円い岩が
ひとつ、置かれている。

額の汗を拭って、歩く
旅人の姿は段々…近づき
数歩前で、立ち止まる。  ....
君は今日も、渋谷ハチ公前の
路上でギターを掻き鳴らし
スクランブル交差点を行き交う
無数の靴音の、彼方には
紫色の夕空と…ひとすじの雲があり

警察に止められ、君の路上の歌声は
3曲で終 ....
遠い旅先の、見知らぬ街で
風に震える…痩せっぽちで
牙を向く、狼の哀しみ

暗雲に覆われた空を仰いでは
見知らぬ人々の靴音、行き交う  
孤独な雑踏の
只中で
今日も独り、立ち尽くす
 ....
「死」というものは、笑えぬもの。

五年前の冬
八十九年の生涯を、閉じた
婆ちゃんについては、笑えるもの。

在りし日の婆ちゃんの
面影が今も座る食卓の席に
遺影を置き
孫の僕は冗談 ....
生きていれば
心配の種の、一つや二つ
指折り数えりゃ、きりがない

もくもく…不安の煙は募り
揺れ動く心を
丸ごと!
天に投げ入れよう

まことの生の劇場は
ゆっくりと、幕を開き
 ....
人々の行き交う、東京駅の構内。

黒く髪を染めた
赤い靴の、ちっこいお婆ちゃんが
赤い傘を、杖にしながら
白い化粧の頬を、ゆるませ
何ごとかを唱和しながら
ゆるり…ゆるり…進んで行く
 ....
扉を開いた、棚の中
いつのまにやらトイレットペーパーは
残り数個になっていた。

棚に、空洞のあいた分だけ
僕は日々の栄養を、摂り
少しは成長したろうか――?  
僕は、今から四十年前
{ルビ勾玉=まがたま}のような白い種として
母の胎に宿りました。

それがこうしていつのまにやら
大人になって、独歩して
思考しては、言葉を発し
地上の日々を営んで ....
もし――凸凹な
パズルのピースである、僕等が
舞台の上でスクラムを組んだら

明日へ光を放射する
一枚の絵画になるだろう  
久々に一人で実家に帰る、晩
何処か名残り惜しく
幼い息子の肩を抱きつつ
嫁さんに少々草臥れた足裏を揉んでもらう。

  *

久々におふくろの味で腹を満たした、朝
何処か名残り惜しく
 ....
横浜・野毛の老舗「村田屋」の座敷にて
鰯丼の傍らに、置いた
味噌汁の真ん中に
豆腐がひとつ、浮いている

(天井のらんぷを、小さく映し)

澱んだ味噌汁の、只中に
くっきりと、立体的に ....
私は自分の体温を知らない。
もし、精神の熱があるなら
暖炉の闇に、火をくべて
――私の熱は昇るだろう。

日常の36°5を演じる
仮面に隠れた炎を燃やし
私は私に、火をくべて
――自ら ....
道の途中の四辻にて
{ルビ運命=さだめ}のように、二人は出逢う

――旅に出るか
――はい

芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟 ....
日々の芝居に疲れた、夜は…
ちょい横道に逸れて
路地裏のBarの
ドアを潜り――仄暗い
カウンターに、腰かける

旅の途上のおいらだが
今まで越えた峠を、指折り数えりゃ
一つ・二つ・三 ....
私は犬の鼻が欲しい。自分の餌を求める
ままに進む、あの(黒い鼻)が――たと
え犬の鼻を持てなくとも、どうやら人の
第六感には、あの鼻がうっすら内蔵され
ているらしい――今日から私は自らの内
 ....
老舗のジャズ喫茶・ちぐさのドアを開いて
店内の古びた椅子に腰を下ろし、生麦酒を
一杯―― がさっ…! 発泡スチロールの板
に貼りついた Count・Basie のモノクロ
ーム写真が腹の上に、 ....
モナリザの目は、妊婦の目。
腹に掌をそっとあて
――遠い明日をみつめるような
――胎内の子を、見守るような

モナリザの目は、母なる目。
絵画は幾世代も旅をして
今日も世界の何処かで、出 ....
林に入り、風に呼ばれ
目の前に立つ
木の中に渦巻く、年輪と
私の中に渦巻く、運命は
{ルビ縁=えにし}の糸で結ばれ

――遠い記憶は甦る

渦巻く宇宙を身籠っている
木の心と
人の ....
日向の床の足もとで
埃を被ったプラグが、独り
あの電流につながる場所を探してる

――僕は、プラグだ  
手を広げ…じっとみつめてごらん
言語ではない太古の温もりを
こちらに語りかける
生きものに見えてくる  
集まって来る…不思議な磁力に吸い寄せられて
それぞれの日々の荷物は何処かに置いて、渋谷
駅のhomeを下りて、改札を抜け、宮益の坂
を上った途中の路地の地下室へ

それぞれの笑顔
それぞれ ....
一本道の白線が
遥かな闇の向こうへ――伸びてゆく

若人よ、汝の信じる道を
何処までも――そのままに

夜の靴音を高らかに鳴らし、往くがいい  
夢追い人よ
与えられた今日の日を
踏み台にして
空に向かって、翔べばいい  
出先の喫茶店で「童心」がお題の
コラムを書いてから、自宅のママに電話した。

――じゃあ、読むよ。
――今、周に聞かせるからちょっと待って。

ママが携帯電話の音量をあげてから
できたて ....
殿上 童さんの服部 剛さんおすすめリスト(170)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
色鉛筆___- 服部 剛自由詩515-10-7
旅の車_____- 服部 剛自由詩315-10-5
聖画ノ声___- 服部 剛自由詩415-9-14
コーラス・1―門―_____- 服部 剛自由詩215-9-8
日々の山路___- 服部 剛自由詩415-8-30
夏の夜風- 服部 剛自由詩415-8-28
夏の夢- 服部 剛自由詩815-7-16
路上の歌人___- 服部 剛自由詩315-7-13
夢の地図- 服部 剛自由詩615-6-26
椛の手- 服部 剛自由詩615-6-21
日々の劇場- 服部 剛自由詩515-6-17
赤い靴のお婆ちゃん_____- 服部 剛自由詩415-6-8
棚の空洞- 服部 剛自由詩215-6-5
夕暮れの丘- 服部 剛自由詩715-5-19
Vision_- 服部 剛自由詩515-4-29
名残り・・・について- 服部 剛自由詩415-4-20
夕餉の匂い- 服部 剛自由詩515-4-5
- 服部 剛自由詩415-4-2
舟にのる- 服部 剛自由詩615-3-31
おいらに乾杯- 服部 剛自由詩315-3-27
黒い鼻- 服部 剛自由詩315-3-27
黄泉のジャズマンとの対話- 服部 剛自由詩115-3-24
モナリザの目- 服部 剛自由詩3*15-3-23
木の記憶- 服部 剛自由詩5*15-3-20
黒いプラグ- 服部 剛自由詩615-3-13
- 服部 剛自由詩515-2-28
Home- 服部 剛自由詩615-2-25
靴音- 服部 剛自由詩215-2-22
無題- 服部 剛自由詩315-2-13
息子の教育- 服部 剛自由詩14*15-2-11

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