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「あんた、マフラー飛んでるよ!」 

ホームのベンチから立ち上がり、叫ぶ男。 
首を後ろに振り向いて、道を戻ろうとする女。 

ぶおおぉん――… 
ホームに入った電車が視界を、遮った。 
 ....
手にした筆で 
ま白い半紙に ○ を、描く。  

○から世界を覗く時  
自らの高鳴る鼓動が聞こえ…  
今・息を吸うては吐いている
いのちの不思議を思う 
うっとりと瞳を閉じて 
光の石を両手に乗せて 
立っている円空さん   

静かないのちの歓びが 
体の隅々まで葉脈を巡らせ  
行き渡っているようです 

森に佇む木の体  
日向 ....
ひとりの木の中に 
微笑み坐る、仏がいる 

人という木の幹の中に 
両手をあわせる、仏がいる 

円空さんが無心で彫った 
木の像が、幾百年の時を越え 
何かを語りかけるように 
 ....
今日という一日に数え切れない
(ありがとう)が、隠れている。  

よく晴れた日の夜空に 
いつのまにか姿を現す 
あの星々のように―― 
蟻は匂いのある方へ往く   
一瞬、静止して 
触角をぴくり震わせ 
再び――無心に進む
 
(黒い背に小さな太陽を映して)

日常にふと佇む、僕も 
蟻の心で 
何かを受信しようと ....
みつめれば、みつめるほど 
世界は語る本となり 
行間の道で草花の囁く秘密は 
旅人の背に、託される 
この世に生まれてから 
今日に至るまでの一日々々を 
風に捲られてきた暦は 

人生の旅路の果ての
終着駅に至るまで 
捲られる暦は 

どれほどの厚みだろう――? 

産声をあげ ....
薄茶けた昭和の古書を開いて 
ツルゲーネフの描く 
露西亜の田舎の風景から 

農民の老婆の皺くちゃな手は 
搾りたてのぶどう酒が入った器と 
焼き立ての丸い{ルビ麺麭=パン}を 
時を ....
日々それぞれの 
場面々々に  
直観の行為、を積み重ねよ―― 

行けば行くほど・・・ 
動けば動くほど・・・  
一つの○い出逢いの場に 
日向はあふれ 

あなたはそこで{ルビ ....
細長いのっぽビルの 
1階から23階へ 
光のエレベーターは昇りゆく 

23階から1階へ 
光のエレベーターは下りゆく 

祈りとは 
両手をそっと重ね 
天と地をつなぐ交信である ....
背筋を伸ばしたスタンドの顔が 
ジイドの古書の開いた頁を照らす時 
長い間つけていない 
TV画面に映る自分の顔と、目があった 
暗闇の航路を照らすあの灯台に
あなたは、詩人を観るだろう。 
帰りの電車に揺られながら、頁を開いた 
一冊の本の中にいるドストエフスキーさんが 
(人生は絶望だ・・・)と語ったところで 
僕はぱたん、と本を閉じて、目を瞑る 

物語に描かれた父と幼子を ....
晩飯のおかずを箸で摘み 
炒めたもやしを、食っていた。 

一本の長く萎びたもやしが 
「風」という文字になり 
誰かの顔のように 
皿にへばりついて、僕を見た。  

もしかしたら  ....
箸は二つで、一膳です。 

誰かの手に持たれ 
一つの食を摘みます。 

君と僕が夫婦であるように。 
日常の、人間模様の只中で 
自らを ぱっ と灯して 
周囲の素顔を、照らしたい。 
私を愛する{ルビ瞬間=とき}
一滴の涙はあなたの頬を伝い 
ラファエルの描いた 
天使になる 
哀しい知らせを聞くたびに 
世を去る友は、また一つ 
残された地上から僕の見上げた 
夜空に灯る
大事な、大事な、星になる 

そうして僕は 
風の姿で吹き渡る  
彼等のうたと重なっ ....
私の魂というものは 
量りにのせて 
測定することはできません 

たとえば眠りの夢に落ちる時も 
たとえば悲嘆に暮れる日さえも 

私の内的生命は 
一本の透けたアンテナを立て 
 ....
殿上 童さんの服部 剛さんおすすめリスト(170)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人間の声_- 服部 剛自由詩413-3-22
円窓_- 服部 剛自由詩413-3-17
光の石_- 服部 剛自由詩513-3-17
円空さんの声_- 服部 剛自由詩313-3-17
ありがとうの星_- 服部 剛自由詩813-3-8
蟻の心_- 服部 剛自由詩6*13-3-2
旅人の本_- 服部 剛自由詩6*13-2-20
日捲りカレンダー- 服部 剛自由詩3*13-2-14
老婆の麺麭- 服部 剛自由詩8*13-2-12
木のひと- 服部 剛自由詩5*13-2-8
ヨコハマの青い夜景ー献杯の詩ー_- 服部 剛自由詩4*13-2-6
自画像_- 服部 剛自由詩5*13-2-6
灯台ノ道_- 服部 剛自由詩6*13-2-6
天使の声_- 服部 剛自由詩10*13-1-14
風の顔_- 服部 剛自由詩6*13-1-13
箸_- 服部 剛自由詩3*13-1-12
無題- 服部 剛自由詩210-11-23
天使ノ絵_- 服部 剛自由詩310-10-16
星々ノ声_- 服部 剛自由詩310-1-6
魂の器_- 服部 剛自由詩9*10-1-3

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