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私はあなたから生まれたというのに
もうそんなことを忘れてしまって
自分だけの死を抱きしめていた
まるで沈むために港を離れた
あのポンコツな捕鯨船
たった一つの獲物を射るための{ルビ銛=もり} ....
海という隙間で息も絶えだえに
船がただひとつ進めない方角があり
羅針盤の鏡にこうして映すと
宇宙も空も無くなる時間なのに鏡は
越えられない境界線を示すだけなのです
宇宙に似た深い暗闇を
....
夜を乗り越える呪文
古いノートの落書きから思い出す
詠み方を忘れた大人には
雑踏に落ちている足音に似て
あどけなく残酷な
季節を乗り越える呪文
変色した写真の束から探し出す
今日しか ....
水面のやさしさを信じ
身を投げる木の実の
沈んでいく運命の先を
知らないかのように
綺麗な音色だと
美邪気に笑う君に
かなしくなる
西の雲は入り日に
焼かれるからかわいそうと君 ....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない
君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
紙屋町から橋を渡ると
折り鶴に祈りを捧げるための
順番待ちの列
それは確かに祈りのかたちだが
朝夕の公園掃除とは
似てもにつかない
ベンチに座り
おにぎりを取り出すと
えらそうに鳩 ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった
時計は無慈悲に
時を奪っていく装置
刻んで ....
忍者のように
美しく
妖しい
魔を呼んではいけない
呪いの言葉で
欲しかったのは、技じゃない
求めたのはその先にある
{ルビ術=すべ}
彼方で
....
農家の母屋を改造した学生下宿が
家賃一万円の住処だった
わたしは床の間のある客間の六畳
一二畳の居間には親友が
離れの六畳には先輩が
隣の六畳と四畳半には後輩が
それぞれ巣くっていた
....
黒雲にひそみ
激しく眩しく光るもの
音速を超えて空気を切り裂き
激しく低く轟くもの
決して海の中には
ひそまないもの
巨大なものを打ち消し合って
生み出すもの ....
影を切り絵にする
凍てつく月夜
わたしの秘めた暗闇を
湿った地面に縫い付ける
月をみたか
わたしには
眩しすぎる
砂木さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(41)
タイトル
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カテゴリ
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日付
生まれたことも忘れて
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たりぽん ...
自由詩
15*
06-8-8
ひとしずくの水彩
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たりぽん ...
自由詩
17
06-7-31
驟雨の足音、あどけなく
-
たりぽん ...
自由詩
17*
06-7-29
ホタルブクロ
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-7-2
きみのかたち、ぼくのかたち
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-23
使者とは呼ばない、鳩よ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-22
湿った夜の回折格子
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-5-13
技術という方法
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たりぽん ...
未詩・独白
8*
06-4-27
二台の洗濯機における青春の一考察
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たりぽん ...
自由詩
37+*
06-2-23
ユキフラシ
-
たりぽん ...
自由詩
8*
05-12-30
月を見たか
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たりぽん ...
携帯写真+ ...
15*
05-10-18
1
2
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