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首より上を
他人のそれと
挿げ替えたまま
歩いていく
そんな人々を
横目で追いながら
私は
ただ、その姿を
見送っている
*
少女Aは
単色の ....
待ち合わせの丘
日だまり色のカーテン
この窓辺で
私は、煌めきながら
そよ風に
なるのだと思う
そして
空白にも似た
意識の海で、泳ぐ
その ....
わたし、
だからうまれたの
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
からめるいとは
....
(たくさんのパルス、)
脈拍が歌う
それは波紋であり、
いのちだ
水溜まりと等しく
空を映した鏡と、同じ
青や赤をまとった
一筋の糸
(たくさんのパル ....
水玉の反射光
少しだけ、離れた目線
水滴が頬を打つ
その、一瞬くらい前
私は私より
ずっと私だった
足元が脈を打つ
それは轟きであり ....
ハンカチが飛んで、
きみのスカアトがめくれて、
ぼくの目線をとらえて、
きみはウインクをして、
踏切の音がして、
知らない歌が聞こえて、
人々の足音が止まって、
ギタア ....
響こうとして、やめた
あの鐘の試行錯誤が
静かに鳴っている
レンガ造りの壁/床/屋根
その全てに
すべからく神は宿るのだと
その象徴として
誰か ....
夕刻を告げる時計が
散らばった色鉛筆を
一本だけ、手折る
私がその光景を
消しゴムへと告げ口した頃
光りだした小指は
小さく震えて、色鉛筆となった
立て掛けたキャンバスには
....
太陽が
触れるほどに膨れて
私の頬の辺りを
じりり、と焦がしている
へばりつく髪の先に
小さく火が灯って
そのまま燃えたいと願う
溶けてしまえたら、と
その日
世界 ....
夢現な朝露が
透明を保つ空気の中で
そっと
身体を震わせる、朝
細やかな振動は
私が眠ったままの揺りかごを
徐々に強く揺らして
目を開くことを
強要する
ああ、空に ....
使い古したような
ソファーに沈みながら
ゆっくりと
足をばたつかせる
水中散歩でもしようか
その、一言が
恥ずかしくて言えないまま
そっぽを向いている
君はきっと
....
手を引いて
歩く指先は、きっと
温かかったような
そんな気が
している
お母さん、と
間違えて呼んだ私の
頭を撫でては
大丈夫と
微笑んでいたから
髪を結う仕草の ....
手の内ではじける
しゃぼんだまに似た空に
遠い影を投影しては
また、見上げている
影送りだなんて
とうに忘れ去られた遊びを
何度も、何度も
繰り返して
空を横切る
....
目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
多分そ ....
大丈夫
もう、泣かないよって
叫んだあとの
雨の日
寂しがりな僕たちは
分からない雫を
溢す
隅っこが
好き、なんだよって
笑ったあとの
晴れの日
夢を見 ....
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
夢、見ている
**
....