あおぞらにむかって
ほんはひらかれた
せかいのだれもが
てにとれるように
時間の波に押し流されることなく
権利の射程圏内から逃れて
生き残った言葉の集落は
門を開いて客人を待つ
....
誰もいない日曜日に眠りに落ちていく僕は、いったい誰なんだろうと思わされていた。だけど現代詩フォーラムに関する様々なことを思い浮かべさせられながら、今日も終わってしまうのかもしれないと震えだした。こ ....
あなたの詩ください
あなたの生きている詩ください
死んでいる詩でもいいから
わたし、外側からぶち当てられて
その作用でしか動けません ....
まちがいもまた
こたえなのだった
まちがいが
ひつぜんであるかのように
せかいはただしい
ほうこうにむかっている
もしもまた
あしたまちがえても
それがせかいの
....
帰る故郷を持たない
それは誰からも同情されないひとつの不幸
行き場を失った男は
街を彷徨い帰る場所を捜す
しかし もともとなかったものを
どうやって見つけるのか
それは判っているの ....
宇宙に音は無いという
完全な円は無いという
止まない雨は無いという
晴れない闇は無いという
今まで聞いてきた薀蓄や格言を
暇に任せて思い返していたら
不意に、頭が緑の劇物になり
猛烈 ....
風が強い、強い
今にも浮いてしまいそうなくらい
街頭ビジョンの天気予報 文字も跳ねる、跳ねる
意気揚々と 台風のようなとてつもない風速
スカートめくれそう
右2つ ....
かこぉん・・・と靴音
軋む、非常階段
感情を言葉に変えた瞬間から
わたしは
燃えないゴミのように無機質な
存在に変わってしまうのだろう
語りすぎるのは
良くないことだ
見つ ....
耳のうしろに当たる変な感触と
目頭に感じる重み
使い物にならないこの目に景色を見せてくれる
人の発明 技術がありがたい
使っている最中ちょっともどかしく感じる時があったり
なぜ視力が悪いのか ....
誰かのために歌ったんじゃなくて
私のために歌った私の歌が
一番愛しかった
そうして
やっと
あなたのために歌いたいなんて
思ったりして
誰かのためんなていうのは
とても難し ....
年の瀬になると、人さらいがやってくる。寒くなって
きて、その年を振り返って、いろいろあった年を、あ
るいは何もなかった年を、何となく思い出している時
に、みんなが忙しくなって、着ぶくれした身体を ....
どうせなら、金曜の夜に死にたい 仕事終わりに
どうせなら、金曜の夜に死にたい 区切りのいい感じで
どうせなら、金曜の夜に死にたい ドラえもんがやる時間帯に
どうせなら、金曜の夜 ....
人間のつくった言葉なんて全部嘘だ
そう思ったら謎がとけた
そうだったんだ
やっぱり
そうだったんだ
嘘だったんだ
嘘であるなら
信じないほうがいい
だれかのつくった嘘になんか
....
私が押しだした靴の跡に
ごめんねはぬぐえなくて
ゆっくりと連なる六文字の立体は
藍色をくり返しながら君の姿勢を正し
私は文字数を埋めることが出来ず
些細なことだと赤色の呼吸をふさいで
....
かきがいを
ねぎと
いっしょに
にて
味噌汁に
したら
ねぎと
かきとが
あわない
メールが
かえって
こない
これは
つまり
いっしょに
えいがを
みにいった ....
ぼくは鯨になって
解体する12月
ザパーンザパーン
虹色の火
あ、誰が 食べた?
(無音)
遠くで白ける地平線
ぼくらは並んで海の際をみてた
容赦なく時が飲まれ ....
そんなに硬ければ喉に詰まらせて逝ってしまえばよかったのに
{画像=111025222808.gif}
Y染色体はお前の硬さに勝った
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ
だいだい色の満月
あたたかさ ....
朝蜘蛛を野放しにして数日
白い壁に
夜を引きずり出そうと
穴は這う
エアコンの吹き出し口を好む
わたしの目がかわく
土壁に
みつけた、と呟いた午後には
あなた つぶされてしまった
....
海月に刺された女の子が、ひらひらと漂着する砂浜で、ささやき合っていた熟年カップルは、あらわれてはきえていく波の前で石像になっている。
白い波と青い波を残したまま、海は水平線で折り返し、遥か頭上をずっ ....
マイナスのこころは 似たような レベェルのマイナスの心を
呼ぶのかな
そんな はずはない
マイナスのこころは 似たような レベェルのプラスの心を
呼びたがるはず
あの晴 ....
その時が来たのならば
全ての窓を開け放しましょう
それが その時であるのならば
まいにち みて いるのだけれど
ひざの上で組まれた指が
互いに爪を立てている
....
くしゅ、って
どこかの
紅茶ポットが
できましたって
ささやくように
あるいは
きょうみしんしん猫が
もふもふのねこじゃらし
鼻のあたまをからかわれ
くしゅ、って
かお ....
ギラッギラの
ココ受けなかったら又数年交通整備の日雇いに逆戻り
....
スーパーマーケットの
タイムサービスで
父が売られていた
お惣菜売場の隅に
さみしそうに立っていた
私が買った
うれしそうな顔をする父に
何か食べたいものはないか尋ねると
....
ただひたすらに暑いから
手をつなぐのも
抱き合うのも
なんだか嫌になってしまうね
どこかのアニメじゃないけど
ドロドロに溶けてしまえば
手もつながなくていいし
ましてや抱き合わなくて ....
{引用=小さいものだから小さいと思うことは
なんて簡単なことなのだろう
車で仔猫をひいた
ひく前に
「ああ ひいてしまう」と、思う間があった
思ったとおり
何とも言えない音が伝 ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない
椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
出してない書類が
陽炎にまじって消えてく夢
現実
泣きたい自分のためのプレイリスト
安物のイヤフォンが眠りの邪魔をする
つけたり 消したり 冷房
携帯電話
....
そんなに難しい事でもないんよ
例えば林檎
本当は色がない
ある波長の光を反射して
目が勝手に赤と見るんだ
色彩学な友人がそう言う
私はただうんうんと頷く
そんなに難しい事でもないんよ ....
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