すべてのおすすめ
プリンは大変うまいが
もっとうまくしたいと思い
鰹の出汁を加えてみたところ
それは茶碗蒸しであると方々から叱られ
私は心に深い傷を負った
何を見ても、見たとしても
わからない振りをしていればいいよ
と教えられた昔日の雨に濡れる窓の中に、わたしは
まだ閉じ込もったままでいる
そうしているほかないのだ
だってひとはとて ....
ビタミンが欠乏しているから
女にもてないと主張するFさん34歳
彼の朝は一杯のカフェオレから始まる
お気に入りのBGMを聞きながら
優雅に紫煙をくゆらせて
カフェオレを口にするたびに
苦み ....
嗚呼とうとうなってしまった
ケータイが命の次に大事なものになってしまった
こんなはずじゃなかっただろ俺よ
俺はケータイを財布代わりなんかにはしない ケータイでテレビも見ない
そんなに依存してる ....
私という存在を前提した
真っ直ぐな主軸
きれいに
ねをあげた
いともかんたんに
コンビニでおむすびを買う
たわむ電線が
痛々しくて
目を瞑る
よる、なので
....
川の終わる街、海の始まる街
埋め立て地の煙突は
今はもう消えた海水浴客の嬌声を響かせながら
夏の日にゆらめいている
コーンスターチのむせ返るような匂いは
街の健康的な精神の象徴として
寛容 ....
帰りの会 終わってからのカードダス
瞬いたプリズム 裏返してかげがやわぐ
かえして朝の会
かえして
あおいで 風が吹く
したじき プラスチックに傷がついて 曇る
河川敷 つまり ミラ ....
会議室を人が歩く
金属や樹脂などでできた
冷水機のようなものがあって
その向こうに浜松町が広がっている
どこまで行っても僕には体しかないのに
ポケットに突っ込んだはずの
手だけが見つ ....
ほどなく
空は なだめるように
いくどかのまばたきをした
何度目かの夏
もうすぐ花柄の猫たちが
砂丘のほしに
帰ってゆく
波の音
水平にひろがる
君のこきゅうと 両腕
ほど ....
きみがぼくを迎え入れて、ただ
きみがぼくを
迎え入れて、ただきみが
ぼくを迎え入れて、
ただきみがぼくを迎え入れて、その
夜の
むこうでは、歳月
に
きみが迎えられてい ....
しあわせは しあわせは
ぜんぶしあわせなんかじゃなーい
すこしだけ すこしだけ
なみだのかずがへればいい
ひとつだけ しあわせの
たねをのこしてあとはすてーる
かなしくて おしいけ ....
{引用=laisser vibrer
(音楽)鳴らしたままに。(打楽器で)振動を止めない。}
0,
ポリリズム、
異なるリズムの孤独が、偶然同期する
ほんの一時の間だけ、でも
....
ああもういやだなあ名前書いておけばよかった
ちょっとマラソンしてたら腎臓落としちゃった
交番に行って届いていないかたずねたら
お巡りさんは何か変な顔で僕を見ているし
道行く人たちに腎臓落ちてな ....
アヒルにオセロで完敗した
俺はアヒル以下のくず野郎だ
もう二度とアヒルとはオセロなんかしない
アヒルとオセロをするくらいなら
ケツからビールを飲んだほうがましだ
そう言い残して家を飛び出した ....
くびがぬれているから
くびに
おしめ
ぼく
くびがぬれている から
くびに
くびおしめ
しめ
あーあ
たれるから
だえきたれるから
くびくびおしめしめ
いい ....
ぼくは大きくなったらトラックになりたいです
トラックになったら背中を改ぞうして
大きな大きなポンプをつけます
わきばらにホースをはめて
頭にライトとかがみをつけます
そしたら体をすべて赤 ....
傍にゃ布 風力発電の日々で干す
遠く霧笛が 聞こえる
目の前を這う生き物の 吐く息と混ざり
無意識が 僕の体を溶かしてく
平原の緑 枕もとには夕日
あなたは届いたり
届かなかったり
する
ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する
わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる
それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない
ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
そして少しばかりの喘息を患う
見上げの銀河大聖堂から
調子外れのジャム
コラールはというなら単音のまま止めどなく
退廃した昨日の動悸をまっすぐと燃やした
血脈だけが頼りなの
時 ....
メロウ おまえ ちい先生を見たか
庭の大きな老木に しあわせにしがみついて
羽化をする せむしの 背から
ギラギラとした 出てくるんだ
真っ昼間から 羽化だぜ
メロウ おい メロウ おまえ
....
どんなに鮮烈な映像も、感情も
あとからあとから
注ぎたされる
とろりとした夢水に
輪郭を曖昧にして
とらえようとするほど
淡くまぎれてしまう
過去と未来の、あるいは
前世と来世の狭 ....
いつのころだったか、わすれてしまったし、どこからきたのだったかも、はて、となってしまった。体温のようにそこにあった、ぬくぬく、や、ぬるまゆ、や、ぬめり、にみられる、ぬ、的なもの。それ ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている
朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
ある
ありふれた
想い
という
呼び名の比喩が
争え
という
プログラムの元
生まれて初めての出航をし、
次の刹那
辿り着いた先が
温かい
実は
腹の上
だったと
結局
....
古いじてんしゃのように
朝が下ってゆく
風邪声の
のどに ちいさなにがみと
這いつくばるようにおとずれ
さらさらと消えゆくよるを
くちびるに
にじませ
朝が下ってゆくと ....
「アデリー」
アデリーペンギンの群れが
ぼくめがけて押し寄せてくる
100…200、数え切れない大群だ
どこまでもまっしろな大地を
ある者はてくてく一生懸命に
ある者は腹ばいに ....
木彫りのゴリラを作った
魂をこめたつもりが
こもったのは悲しみだった
真夜中彼はがんがん胸を叩いて吠える
号泣だ
朝、机の上の涙の水溜りに半べそでモップかけてる
あんまりか ....
隔たりを埋めるために
どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている
今数々の生き物たちと別れを告げて
新しい出会いと別れという
いわゆるお涙頂戴を繰り返しながら
たまに ....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
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