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川があった。
大きな川だった。
その川の中腹に、一人で立っていた。
ときどき、強い風が吹く。
そのまま川面に倒れ込んで、
流れに身を任せてみたくなる。
いつしか、辺りは暗くなっ ....
会いたくて
今すぐ君に会いたくて
駆け出しそうになるけれど
僕がどんなに手を伸ばしても
君の足元にも届かない
だから
うんと努力しよう
いつか 君と
肩を並べて 歩ける ....
前触れもなく 出逢って
目が合って
語って
惹かれ合って
焦がれて
もう一度 出逢って
もっと引かれて
手を取り合って
求めて
確かめ合って
抱きしめて ....
小学校の卒業アルバムには
「僕の夢」という題で書かれた作文があった
何も知らなかった頃に 間に合わせで書いた
他愛もない夢
日中のオンラインゲーム世界の中は
比較的 閑散としていた
....
僕らは ひとりじゃいられないから
引かれ合って
手を取り合って 近づいて
抱きしめ合って 求めて
もっともっと
互いの境界線さえ越えて
ひとつになって
融け合って
ぐちゃぐちゃにな ....
苦しくて
悲しくて
みじめで
涙が込み上げるとき
誰にも相談できず
抱え込んで
その重さに 圧し潰されそうなとき
どうか、負けないで
生きることを 諦めないで
誰だって
....
気がつけば、
Facebookの友達の数は
とっくに一年の日数を超えてた。
一日一人ずつ会っても、
一年間じゃ足りない。
そう考えると、
一年にたった一日でも
一人の人を独占でき ....
名前を呼んでほしいんだ
君が呼んでくれたら
僕はこの世界に 存在していられるから
たとえ 呼ばれたそのときに
存在していなかったとしても
覚えておいてほしいんだ
一人でも多く 覚えてい ....
日は落ちても、
積み荷は減らず、
思考は
水底の虫のように
降り積もる澱のなかに
埋もれてゆく
明日はまた違う明日だとしても
私はいつまでも
変わることができずにいる
そ ....
何かと引き換えにしてでも
救いたいから
守りたいから
大切なものを 差し出す人がいる
一方で、
そんな大切なものを
奪い取り
騙し取り
踏みにじる 者もいる
弱き者から奪い、 ....
広い広い宇宙のなかで
たくさんの小さな奇跡的な偶然が重なり合って
僕らは生を得ることができた
そうしてほんの小さな天体の衝突なんかで
いつでも滅び得る、
――そんな危うさの淵にいる
....
しかめ面の空の下
排気ガスが充満する都市の片隅を
少年時代の自分が駆けて行く
らく書きだらけのノートを
大事そうに抱えて
裏通りの路地を縫って
山道を抜ければ
大人たちの知らない
....
学校からの帰り道
ごみだらけの家に住む
ひげだらけの臭いおじさんが
居間で背を向けて
テレビを見ている
『ガガー……ピーッ……』
灰色の砂嵐が映るだけ
やかましくノイズが鳴り響く ....