すべてのおすすめ
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う

たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
君は
君の家に入らない

雨が降っているというのに
軒下の風を嗅いで前足を舐めている

私の上には屋根があるので
髪に降るよりも
雨は、
硬質な響きで
音の羅列を渉っていく

 ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです

夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
 ....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って

眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない

薄まら ....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
あおばさんの藤丘 香子さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日付を打たない手紙- 藤丘 香 ...自由詩63+*07-9-1
シオリちゃん- 藤丘 香 ...自由詩58+*07-6-22
雨の犬- 藤丘 香 ...自由詩43*07-4-18
或る夏の理由_「風の通り道」- 藤丘 香 ...自由詩33*05-5-21
楡と扉- 藤丘 香 ...自由詩30*05-5-16
蛍追い- 藤丘 香 ...自由詩40+*04-1-10

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する