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言葉なんて要らない
あんなにも人を動かす言葉なんて要らない
街のさびれた一角の
小さな自転車屋の店内で
カンカン音を立てながら工具で自転車を直す
あのおじさんの鋭い技術が欲しい

 ....
少年が黎明する正午に大きな鳥が日を遮った
その急襲する翳の奥にある形のない論理から
世界に緑の体系がこまごましく飛び火した
緑のいくつもの形態がその他の色と共に
少年の背骨から放射する ....
お前は木の葉のように
大気の騒がしいうねりを巧みに乗り継いで
俺の途上にやって来た
到来はすべて拒絶であるので
お前は遥かな海からはるばる俺のもとへと
拒絶の華々しい毒を優しく手渡した
 ....
母屋から公道へ向かう道沿いに
桜並木があった
幼い頃、彼は花の美しさを知らなかった
小学校に入学したころ
桜は満開で彼を祝福していたが
彼はその祝福さえ知らなかった

大学を出たのち ....
夢という視野は、原野でもあり荒野でもあるのだが、いつでも決まった角度で決まった方角をめざし、その視野の映像がどんなに枠からはみ出ようと、どんなに重なりこじれようと、観念と情念の間に架けられた橋の上に端 ....

あまりもの近さから贈られてきた
体のかけらの数に対して
あまりもの遠さから贈られてきた
幾何学の無限の定理に対して
少しずつ土壌の水をくみ上げる
着実に四方へ向かう風を作り出す
 ....
色んな場所に旅行に行きたい
過ぎ去っていく景色を眺め
体の軌道が未知の空間を抉っていく
その新鮮な熱を肌で味わいたい
新しい人との出会いで
表情が更新されていくような
そんな旅行をしたい
 ....
「人生」なんて言葉はとっくに死語だから 大局的思考はもう時代遅れだから そんなことを言いたくなる人生の一局面に 瞬間やその持続で人間の時計の針の音だけを聴く 時計のように正確で慈悲に満ちた通告に 僕は .... 産まれたときにきっと
何かの試験に落第した僕は
その試験に合格していたら
そもそも存在することすらなかったはずだ
今日も僕は生きていくために
右手に落第し
脳髄に落第し
血液に落第す ....
雑踏の中に屹立する鋼のルサンチマン
辺り一面に広がる「私」の倉庫
風が一度たりとも触れることのなかった都市の特異点で
「あなた」の残響が整備された街路樹を埋めている

角度は徐々に水になり速 ....
この声は誰にも届かないと この手は誰にも触れないと 極力理解することで自分を守ろうとした だが声は増幅して多数の人々へと届き 手にはいつの間にか無数の糸が絡まり 僕はそれを十分感じていたが それでもこ .... 使い古されたこたつテーブルにCDや本を平積みにして、それらのもたらす光彩に自然な無関心で向き合い、もはや暑苦しいだけで役目を終えたこたつ布団のひそかな熱に足を包んで、私はいつもの部屋にいつもの姿で座っ .... 散歩者たちが、特に詮索するのでもなく、歩行の余興のように視界の端にとらえておく果樹園。それは、少し中に入ればわかるが、空間を切り開き、うねるようにして迷宮を作り出している、風の身体によって隅々まで踏み .... 私は実家の南にある野菜畑で産まれた。私は幾重にも重なった肉の皮の中で、羊水に浸されながら、地下にへその緒を差し込んで、水分や養分を吸い上げて少しずつ成長した。その肉塊が十分熟したとき、肉の皮は一枚、ま .... 言葉が沢山散らばっている野原で 僕はその言葉達の背後にある哲学を編もうとした 多種多様な関係の枠組みを総動員して僕は一個の一貫した哲学を読み取ったつもりでいた だがもう一度その野原を眺めるとその哲学も .... 林檎や梨が
その位置を偶然から必然へと動かすとき
その表面へ差す光は
外部に言葉を与え 内部を言葉から離した
再び
林檎や梨が
その位置を必然から偶然へと移すとき
昼の底にある闇が
 ....
今日
薬缶のたまごで目玉焼きを作りました
蒸気を吹くので食べるのに一苦労でした
ソーセージのたまごを割ったら
中から生肉が出てきたので
塩を振りかけて焼きました
いつの間にか皮に包まれてい ....
存在するということは いつも決まって挨拶だから 時間が渦を巻くところに 僕も決まって挨拶を返す 今日も歴史が生まれましたなあ いえいえ単なる磁場ですよ そうして僕は踵を返し 存在しないということは い .... コーヒーカップを手に取ろうとして
指がないことに気付く
指の付け根には掌もなく
掌の元には腕もない
外では桜の花が咲いていた!
不穏な蜜で大気はべったりしていた!

ワープロを立ち上 ....
終わったはずの青春が
皮膚の微細な穴を通って
少しずつしずくを蓄積させていって
何かの風向きで強く匂う
孤独の針が何千本も
「誰にも愛されない」と囁く
雑草のようにいくら引っこ抜いても生え ....
四つ葉のクローバーはたまにあった
摘んでみると奇形だということが分かった
君もまた奇形だった
五体満足だったが理知の骨がない
幼年の輝く混沌、その奇形
大きな闇に覆われ、大きな光に開かれてい ....
 詩は本当のことを語っているのでしょうか。つまり、詩はノンフィクションなのでしょうか。それとも、詩は嘘のことを語っているのでしょうか。つまり、詩はフィクションなのでしょうか。

岩が   吉野弘
 ....
 「詩の定義について」で、詩は必要十分条件で定義することはできないと書きました。それでは、ここに何らかのテクストがある場合、それを詩だと決めているもの、それを詩ではないと決めているものはいったい何なの ....  詩とは何でしょうか。ある人は、「詩とは、文字で書かれたものであり、行分けになっていて、読む者を感動させるものである」と定義するかもしれません。ですが、「視覚詩」の一種は文字で書かれていず写真やオブジ .... 実家の二階にある寝室、家具の匂いが強い部屋で、幼かった私はしきりに咳をしていた。肺から何もかもを洗い出し絞り出すかのように激しい咳をして、掛布団を小刻みに揺らしていた。脳を巡る血液は熱く、著しく濁って .... 二晩で厚く積もった雪も大方融けてしまい、道路の状況もよくなったので、私は市街地で行われているとある展示会に自転車で行った。自動車によって踏まれた部分、雪かきされた部分はもう雪がなくなっていて、畑や日陰 .... 僕は、僕たちは、みんなは、間違えてしまったのだ!
僕は、僕たちは、みんなは、失敗してしまったのだ!
僕は、僕たちは、みんなは、小鳥たちの声にさいなまれている。

そりゃー自信はありましたよ、根 ....
愛されたかったと
声にも出さず 紙にも書かず
降りしきる錯乱に耐え
笑い立つ秩序を嘲り
愛という概念だけを知り
愛という無に向かって超越を繰り返した
生まれてからずっと孤独だったと
冷た ....
シュレッダーにかけられた美しい哲学も 空港で踏みつけられた時計の神経も 郵便に紛れ込んだ一粒の生命体も 残らずお湯の湖に浸していく 足から尻、腹から肩へと 気圧と水圧の嶺の接する所へと 宴は際限なく皮 .... プロセスを無化させるためのプロセス


 伊達風人とは同人誌「kader0d」(カデロート)を一緒に作った仲だ。伊達は無口な男だった。電話をしても余計なことは話さない。勢い私ばかりしゃべることに ....
あおばさんの葉leafさんおすすめリスト(164)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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労働- 葉leaf自由詩213-8-14
本当のこと- 葉leaf自由詩513-8-1
twitter- 葉leaf自由詩213-7-30
試験- 葉leaf自由詩213-7-21
映像- 葉leaf自由詩613-7-3
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血縁- 葉leaf自由詩613-6-13
果樹園- 葉leaf自由詩513-5-24
- 葉leaf自由詩713-5-24
twitter- 葉leaf自由詩813-5-21
静物- 葉leaf自由詩713-5-14
日記- 葉leaf自由詩7*13-5-10
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青春- 葉leaf自由詩513-4-1
奇形と世界- 葉leaf自由詩613-3-26
詩とフィクション_詩と向き合う- 葉leaf散文(批評 ...513-2-25
ポエトリーワールド_詩と向き合う- 葉leaf散文(批評 ...2*13-2-24
詩の定義について_詩と向き合う- 葉leaf散文(批評 ...2*13-2-24
風邪- 葉leaf自由詩413-2-1
流行- 葉leaf自由詩213-1-25
遡及- 葉leaf自由詩413-1-21
- 葉leaf自由詩1012-12-6
twitter- 葉leaf自由詩512-12-4
伊達風人詩集『風の詩音』栞- 葉leaf散文(批評 ...612-11-18

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