攻撃用メモリーをセットして開始のゴングを待つ間に汗が首筋から噴き出てくるのを意識する。手でセンサーの位置を少しずらして、改めて合図を待つ間に戦意が遠のくのを覚え、敵陣の相手の顔をもう一度睨み付けて、憎 ....
僕を支えてくれる柱
小鳥が運んできてくれた 一本の枝
あまりにも短すぎた夏 あまりにも短すぎた夜
僕らを邪魔した虫達は今
小さいけれど美しい羽 ....
朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける
くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
右手にアイボリー色の傘
左手にスケッチブック
いつもの原っぱ
大きなくすのきの下に
しゃがみこむ
パレットにはお空の涙
透明な絵の具を
筆先に含ませ
描写する世界は無限色
....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった
葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく
川のせせらぎの音も
....
今まで見えなかったものが
見えるようになった
自分が生きている今の世界が
迷路になっている
高い壁と細い道しかない
何も拠りどころもなく彷徨い続けると
展望台と書かれた案内板があった
そ ....
あるく
ただ、それだけ。
きみのこころをあるく
わたしにできるのはそれだけ
笑顔が欲しかった
できれば言葉も欲しかったし
ごめんも、いいたかった
ただ、それだけ
涙色 空は蒼くて
水音がきらきらしてた
今日の後悔は明日には持ち越さない
反省、後悔は少なめの人生がいい 難しいけれど
だって明日死んだら困る
今日でも困る すごく 困る
毎日 ....
紫色の夜
チャリで駆け出す
月の跡 世界の裏側
突然
怖くなって
鳴り響くサイレン
逃げ込んだ
ひとりの部屋
冷たい床
夜中に脱いだ
抜け殻 ....
せんだって、流星群がひとっつも見えなかった曇りの夜
ジョオニイはやっぱり仕事をクビになり
見えない恋人を連れて
俺んちにやってきた
ジョオニイの左の肩甲骨は
ややかしいでいるので
恋人 ....
+落葉の日には
赤い色、青い色
残りの空を数えている
穏やかな日々、頬は
青く紅葉として
時間は等しく流れていく
境目に乗って遊ぶ
あなたの身体に耳を置く
....
俺の家の前に
小さな君の足跡
続いている
ついてってみよう
エレベーターじゃなく
階段で上へ昇り
屋上で途切れた
そうか ここまでだ
君が別の人の元へ飛 ....
アイタイキモチを結句に
歌えるようになったとき
恋が始まるのだと誰が言ったのだろう
2002年5月8日
あなたは今、幸せですか
リフレインしてやまない君の問いかけに
若 ....
暴風で倒れたトウモロコシ畑の
その隣で新しい工場が建て始められ
太い鉄骨がまっすぐに立てられた
まだ収穫されていないままの
その実を背中にした
作業員の目は悲しそうだった
鉄骨は太陽の光を ....
少し遅れて咲いた花 細く白い後ろ姿
ポロポロ雨に打たれます
静かに沁みていきました
鋭利な雨に打たれます
窓の外は晴れていても
傘はポケットにあったのに 落ち ....
夜の列車から見るその風景は
何も動いていなかった
駅を出発してから
ずっと走り続けている
次の駅はもうすぐなのだろうか
それも定かではない
四人がけの座席に
自分だけかぽつんとだけ
窓 ....
人々の思いが 乱れ
官僚どもが あいも変わらず
酒池肉林におぼれ 不正を為す時
(権力者は政治家ではなくキャリア官僚)
天変は乱れるという
中国の古典書には
明確に書かれている
また ....
きめ細かい粒子が
向こうの水平線に
ゆっくり溶ける
聞こえない音色は
憂鬱の向こう側
黄色の支配に
世界は従う
蝶のワルツ
橙色の光に絡まって
そのまま堕ちていって
消 ....
明日の夜 君はきっと 僕に似た女の子とキスをする
月の光りに照らされて 綺麗な影が伸びるだろう
僕が嘘をついて 君が嘘をついて
ふたりがうまくいくのなら
良いんじゃないか
....
風は言葉を求めていた
無言で動き続ける自分に
自分の存在を
何かにあるいは誰かに
伝えたかった
街は重厚な壁に遮られ
跳ね返されるか
止められるかで
風の居場所はなかった
風は森 ....
ひとりで食べる夕食は
いつものように
電子レンジでチンして3分
たった3分
それでも3分
どうにも待ちきれなくて
電子レンジの前で腕組みしながら
ながめるタイマーは
永遠にカウ ....
夏が黄色くなってゆく
太陽の色に近づいている
夏をぎっしりとつめて
鮮やかな黄色になってゆく
黄色くなってゆく夏は
水に中に落ち
ぷかぷかと気持ちよさそうに
泳いでいる
近くで ....
今日は校外学習の日
「学校の中にはないものを
たくさん学んできましょう」
校長先生のあいさつが終わると
バスに乗って決められた場所に
向かっていった
どこをどんなふうに走るのか
ぼくには ....
一、蝉しぐれ
白い病の影がおりて
夏の命、際立つ
すり硝子の花瓶に
溢れていたはずの笑顔
シーツに残された
僅かな起伏は
生きていた
あなたの
散らばった
レモン色 ....
森の中で
がばっと大きな口が開いていた
大きな口は
緑色の歯をいつも見せていた
晴れた青い空の中で
流れてきた白い雲を
一気に飲み込んだ
歯が揺れている
近くまで寄ってゆくと
自分が ....
もし、80歳ぐらいで、先に僕が死んだら
「やっと死んでくれて、せいせいしたよ」と笑ってください
君が死ぬときは 僕が迎えに行きます
君は
「爺さんのお迎えが来たよ 、、、まだ、早 ....
闇
から病んで臥せっていたはずの姉さんが這い出てきた
北の海はすっごく寒かったんだから
カラカラと寂しい音が喉からして
手で青を掴んできたわあんた青が好きだったでしょう
ショウの途中で姉さん ....
目
永遠に
閉じる日が来ても
耳は
絶対に閉じないでいて
わたしの声を
受け容れていて
肩越しに過ぎてゆく
景色の速さに
その
狂おしいほどの
純粋さでしがみついて
....
都会の道路に沿って
綺麗に並べられた街路樹は
まっすぐに立っていたが
その緑は曲がっていた
歩行者や大型の車に合わせて
その枝と葉は
捻じ曲げられていた
緑はいつも
土や大地の色は ....
2007/07/14
バイクの前輪を浮かせて走るのがウィリー
恰好いいだろうといわれて
そんなにねぇーと思ったが
50ccでは
雑誌の ....
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