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朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける


くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
一、蝉しぐれ

白い病の影がおりて
夏の命、際立つ


すり硝子の花瓶に
溢れていたはずの笑顔
シーツに残された
僅かな起伏は
生きていた
あなたの

散らばった
レモン色 ....
若草色のかざぐるまに
しがみついていた、あの人が
夕風にさらわれて
私の中を流れてゆきます

水たまりの映す青さの
ほんとうを
確かめるまえに
軽々と飛び越えて
もう
行ってしまっ ....
円谷一さんの佐野権太さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の日- 佐野権太自由詩38*07-7-24
夏を弔うための三重奏- 佐野権太自由詩31*07-7-19
風待ち- 佐野権太自由詩31*07-7-4

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