すべてのおすすめ
先週皮がめくれてた 
お爺さんのお尻の傷を 
トイレの時に確認したら 
するりときれいになっていた 

看護婦さんもやってきて 
「先週塗ったわぜりんが効いたのね 
 わぜりんは、いい奴 ....
水は 
どんな器でも 
形のままに入る 

わたしはいつも 
誰かの器に合わせず 
濁った水を 
入れすぎたり 
足りなかったり 

もしもわたしが透明ならば 
誰かの器にぴった ....
目の前にいる誰かを 
幸せにできぬ自分など 
無くなってしまえばいい 

わたしの消えたところに 
もっと優れた人が現れて 
そこは{ルビ日向=ひなた}になるだろう 
居酒屋で 
ビール片手に酔っ払い 
まっ赤な顔して 
柿ピーの一つひとつを 
座敷畳の隅に並べ 
目尻の下がった
頼りない 
顔をつくる 

「 なんだか俺みたいだなぁ・・・ 」 
 ....
気まぐれな
夏の恋に傷ついた
氷の心

{ルビ尖=とが}った氷が
音も無く溶けゆく 
晩夏の宵 

やがて
秋の虫の音は 
一人きりの夜に
無数の鈴を
鳴らすだろう 


 ....
少し前まで 
座っていた席の下に 
置き忘れた
飲みかけのペットボトルを 
扉を閉めた電車は 
線路のかなたへ運んでいった 

きっと 
作業着姿の誰かが 
忘れたゴミを 
無表情 ....
Tシャツに汗の滲む 
夏の朝 
長方形の紙パックに入った 
烏龍茶を 
ストローから吸いこみながら 
けだるい道を歩いていた 

全力で走った後ならば 
あっという間に飲み干して 
 ....
スタンドの明かり一つ 
扇風機の音が聞こえる部屋 
木目の壁に映る 
後ろ姿の影は 
黙って首を振り続ける 

明日 
どんなに騒ぐ人がいようと 
やる気の無い人がいようと 
ぼくは ....
日々の砂漠に 
埋没された 
わたしは一本の指 

墓標のように立ちながら 
指の腹にひろがる指紋は 
いつからか 
一つの瞳となり 
遠くから荷物を背負い 
こちらに向かって歩いて ....
旅先で出逢ったひとと 
うまい酒を飲んだ日は 
深夜にひとり戻ったホテル部屋で 
まっ赤な顔のまま 
はだかになりたい 

ベッドの上で 
パンツいっちょう 
はだけた浴衣 
へべれ ....
人込みに紛れ 
駅構内の階段を下りていると 
背後に 
「 だいじょぶですか 」 
という声が聞こえ 
思わず振り返る 

車輪の付いた 
買い物かごの取っ手を 
細腕で握り 
「 ....
テレビをつけると 
瓦礫の山から掘り出され 
額に血を流した中年の女が 
担架から扉を開けた救急車へ 
運び込まれていた 

その夜 
テレビの消えた部屋で 
歯を磨き終えたぼくは 
 ....
今日は盆の入りなので 
夜家に帰り門を開くと 
家族は敷石の一つに迎え火を焚き 
両手を合わせ
揺れる炎を囲んでいた 

初老の母ちゃんが 
「 お爺ちゃんがいらっしゃるわよ 」 
と ....
若い母の膝上に
抱かれた幼子は 
ぐわ〜ん ぐわ〜ん 
と泣きわめいていた 

やがてその泣き声は 
ぐわはは ぐわはは 
と転がる笑い声になった 

人目を気にしながら 
若い母 ....
よく晴れた日 
玄関を開くと 
小さい{ルビ向日葵=ひまわり}の植木鉢が 
倒れていた 

恋に傷つき震える 
君のようで 
ぼくは{ルビ屈=かが}んで 
倒れた鉢を両手で立てた 
 ....
風船の顔をした 
君の彼氏が 
口先ばかりの愛を囁くので 
「 死にたくなった 」と 
君は深夜のメールをぼくに送る 

驚いて、瞳もぱっちり覚めたので 
深夜の散歩で月を仰いで 
川 ....
唐草フウさんの服部 剛さんおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わぜりん君_- 服部 剛自由詩7*07-9-19
水のこころ_- 服部 剛自由詩307-9-12
(_無題_)_- 服部 剛自由詩5*07-9-11
福笑い- 服部 剛自由詩707-9-2
夜ノ鈴音- 服部 剛自由詩4*07-8-31
誰かの手- 服部 剛自由詩607-8-26
水ノ鏡- 服部 剛自由詩207-8-26
扇風機_- 服部 剛自由詩407-8-13
雲の船_- 服部 剛自由詩607-8-12
はだかになりたい_- 服部 剛自由詩807-8-4
忘れもの_- 服部 剛未詩・独白8*07-7-26
掌の上に_- 服部 剛自由詩13*07-7-17
盆ノ夜_- 服部 剛自由詩9*07-7-14
授乳のひと時_- 服部 剛自由詩3*07-7-8
白蝶_- 服部 剛自由詩13*07-6-5
不思議な交際_- 服部 剛自由詩14*07-6-4

Home 戻る 最新へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する