すべてのおすすめ
             
居間のテーブルに、汗をおびた白い皮膜がひろがり、ひとり
のピンクのビニール手袋は、両手で艶めかしい声をあげた。
一面、ピンとはった空気が、わたしの熱を帯びた息で震える ....
  1

姉は、猿が、親を殺している夢を、夜ごと見ては、
目覚める度に、硝子が砕けるように、怯えていた。
地味な窓から、手を伸ばすと、
裏庭の空き地越しに見える、マッチ箱の家たちは、 ....
二番地の内田さん    前田ふむふむ

白いあごひげをはやして、美味しそうに、キリマンジェロを飲む、二番地の内田さんと呼ばれている、この老人は、若い人と話をすることが、何よりも好きだ。よく、真面目 ....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。

わたしの少し疲れた掌のなか ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。

冬の呼吸 ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。

振子のようなまなざ ....
灯和さんの前田ふむふむさんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠い夢—デッサン- 前田ふむ ...自由詩9*09-7-8
黄色の憧憬−デッサン- 前田ふむ ...自由詩19*08-10-7
二番地の内田さん—デッサン- 前田ふむ ...自由詩21*08-5-18
十二月の手紙______デッサン- 前田ふむ ...自由詩23*07-12-12
感傷的な夏より—連弾する午後の夢- 前田ふむ ...自由詩33*07-7-26
五月の街- 前田ふむ ...自由詩31*07-5-26

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する