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扁桃腺腫らして臥せる吾が側に
苺食みつつ子等は饒舌
もの煮ゆる音も親しき独り居の
夜は気ままに猫の相手す
鄙びたる里を吹く風 豌豆の
からめる蔓をゆさぶりて過ぐ
くせのある ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫
故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり
何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす
故里の老 ....
傘持ちて吾子を迎えに行くことも
久し振りなり雨もまたよし
さりげなく扇風機の風 吾が方に
向けてくれし子は漫画読み継ぐ
見知らぬ子 通りがかりの吾れに寄り
トンボが居るよと ささやき ....