誓いはすぐくずれそうだ
あんなあとに
もう現実の背中、その一群
ピアノ
トレモロ
おんなのからだ
誓いはすぐくずれそうだ
あんなあとに
もう現実 ....
卓上の玉葱の芽は日日伸びて
七本の青き葱となりゆく
ずいぶん
魚らしく
なってきたね
キラキラ
泳いでいるね
みんな早く
大きくなってね
でも
そうなると
またお池が
ふえてしまうね
空で繋がってるなんて
この空の色を君は知らないのに
この雲の作る影を君は知らないのに
結婚を
クチにしてから 僕たちの
熱い絆はボロボロになり
なにかが しきりに
こぼれる
鈴のように
銀のように
ふるえる 天窓
バス降りて 草むら行けば足もとに
稲穂ゆるがし イナゴ飛び立つ
秋雨のやうやく上りし宵の月
ジャンケンをして大人賑やか
耳もとに娘がつぶやきぬ生え際の
薄くなりしと夫のことをば
....
花選び散散迷いて りんどうと
決めて俄かに秋をさみしむ
帰り来し子にぞ言はれて屋上に
上りて見れば満月清し
木犀の匂へる塀に沿ひ行きて
訪ぬる家を過ぎしも知らず
野生美の紫 ....
埃をかぶった辞典を開いて
君に伝えたい言葉を探してみる
学のない頭から出てくる言葉は
ありふれた簡単な単語ばかり
君を勇気づける言葉を知らなくて
根拠も言えず「大丈夫」を繰り返す ....
わたしはじかんのはてから
ながれをぎゃくにたどって
ここまできました
あなたにかかわり
せかいのみらいをかえるため
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした
それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで
腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
はぐれてしまった季節を
無理に追ったりはしないわ。
ズレた時間も
気持ちがイイものね。
よく晴れたこんな日は
思いっきり息を吸い込んで
初めての感覚に
溺れていたいわ。
空も風も…優しい。
教えら ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし
寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく
留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ
矢 ....
それ ちがうと
おもう ぼくは
わかりあうために
かくんじゃないんだ
それだけは わかる
あの日。
あなたと出会った日。
頑張っているあなたの姿を見てときめいたのは、
だだの迷いだったのかな。
あの時。
あなたに声かけた時。
どうしても「お疲れ様」言いたくて引き止めたのは、 ....
二両目の
弱冷房車で
うちわ振る
太った女を
南極送りに
扁桃腺腫らして臥せる吾が側に
苺食みつつ子等は饒舌
もの煮ゆる音も親しき独り居の
夜は気ままに猫の相手す
鄙びたる里を吹く風 豌豆の
からめる蔓をゆさぶりて過ぐ
くせのある ....
唾を飲む。
ごくり、と耳に響いてく。
目を閉じる。
あの日の空が見えてくる。
聞こえてる。
君の歌声今もなお。
声をだす。
浮かんだ言葉をひたすらに。
泣いてみる。 ....
淡い空に
洗いたての
真っ白な
服を干したら
羨ましくなりました
わけもなく
ただ
地球の純粋が
ふたたび、「愛」というものをかんがえた
それは、綺麗で、尊く、輝いているもの
ひとをあたたかくつつみこむ
「愛」は、ただそこに有り続ける、ひかり
「愛」
やはり ....
小さな花に
指先にとまる虫に
空を行く鳥に
あなたに
すべてのものに
宿っている
青い光
大きなカエル
に
なるまえに
大きなおたまじゃくし
が
処分されました
ひとりの犬
も
処分されました
けっこう平気みたい
みんなけっこう
クールだね
ほとんどの人は、もう
溺れているの
誰も気づいていないだけ
澄んだ指さきが
アルカディア、と答えて
空の一角をさす
新しい風景、新しい秩序
それは
見たことのない宇宙
(行け ....
あまい
ももいろの雲
あれが
わたしの
夢のすみか
どんなに
つらいことが
あった時でも
夢は
決して
なくならない
遠い雲に
あずけてあるから
(日本は夜でも宇宙から見るとはっきりその形がわかる)
なんて思いながら
トイレに行く
その廊下で
隣から
義理の叔父と叔母の
喧嘩の音がする
わたしは舅のことを想う
嫁いで二年目
....
今までは
緑色の藻ばかり
食べていた
僕たち
やっと
ベビー魚用の餌を
食べられるように
なったんだよ
いっぱい食べて
早く
赤くなりたいな
現地で雇った通訳は
インド系シンガポール人だった
忘れ物をしたとかで
彼のトヨタでインド人街に入る
カーステからは
浜崎あゆみが放たれていた
インドフラワーの店の前を通ったとき
インドと ....
甘い香りで誘って
あなたを虜にするの
早く見つけて
真っ白な本当の私を
消えてしまいたいから
でも
消えてしまいたくないから
誰かに必要とされていたいから
誰かを愛していたいから
生きていたいから
死にたくないから
居場所が欲しいから
泣いてしまいたいから ....
何処の誰だか存じませぬが、
それでもやはり生きていて欲しいのです
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