百年間に一人も生まれなかった
小さい色したかえるの子

百年間は長くて短い
言葉の留まる時間もない
小さな木の葉が地面に落ちる間に
過ぎてしまった

緑色の葉が褐色に変じ ....
波打つみどり、
敵味方の風、
追われていく

ひとつの鍵盤に向かって
端から指が流れてくる。

とたんに、
空に生まれた
子供にかえる

見つけたカタバミは、
探していたものと ....
ブランコから見た空は海に似ていた


悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る

浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて

君はぎりぎりの角度で
懸命にこら ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
 
はじめにあるのはくらやみだった
すべてうしなったきみのなみだが
こおってゆきになりくらやみに
ふりつもっていきもじができた

わたしはきみのそのしをみていた
しのよはくにうまるきみの ....
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も

同じ時の中で 生を流れる

めざめて
めばえて
よりそい

続かなくなる息なのに
止める事に こだわり

いつまで夢をみるの
 ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
すくえるものの おちていくすがたは
ただ だまって ながめるばかり

かたちなきものの ながれゆくようすは
ただ あふれて すきとおるばかり

おもいは灰に、
火にちりりと焦 ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
鳴かぬ 小鳥は 
口止めされたのでしょう

ひとつ めでられたら
無くすよりも たやすく

このくちばしで
守るのは

明日の 春では
ないのです
呼ぶ声は誰のために
呼ぶ声は誰のために
遠くから来た人は家を建てた
終(ついえ)の住み処に
なるとは知らずに


往く人は誰のために
往く人は誰のために
墓碑に添えられたコップ
 ....
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう


そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
レモン水一口飲んでいる間に

地球が生まれ
消えていきました

桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
いい空を見たいと人がいう時
わるい空は排除されている


いい空が見たいと人が公言するときの
その犬歯に残る血を見るといい
いい空がみたいの大合唱は
たくさんの空を噛みきった ....
うたうことは

わたしの たましいの かたちを

そっと ゆびで なぞるのと にている
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
かなしみたちがあつまって
ぼくのまわりをぐるぐるまわる


ぼくはなるべくとおくをみて
だけどこきゅうがあさくなる



よろこびたちがあつまって
ぼくのたましいをふくらませる
 ....
空の真下に
わたしが横たわっていて
それを軸として
せかいは逆転する


からだは
しょうじきに
毎晩 順に
剥がれていくのに
すきまは
どこまでも積み重なっていく
輪郭ばかり ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
罪をあがなおうとは言わない


空は青い。
青くなくてもいい。


来る途中に蟻を踏みつぶした朝だ
やがて来る、あたらしい雨
プラットフォーム
この手で焼いた
たこやきのまるいかたち
そしてあの子のえがお

満ち足りた身体に
デザートがはいるだけの
ちょっとした空隙ができる
まだ走 ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
いろいろな
しつもんが
あたまのなか
うずを
えがいていても

きょうも
わたしの
くちびるには
つるつる
すべりだいの
ことば


まちがいなく
このえがおのし ....
砂漠へ行きます
では
私の写真ではなく
水を持っていってください水を

これからは いえ昔から
これからも
私たちは ひとりです

むこうは暑いそうなので
手に汗をかいて
指輪を ....
「虹が出てるよ」
と 人が言う

私は毎日

傷つけてしまったことの上に
虹を置く

後悔の念で
全て色は暗めだ

赤は ざくろ色
黄は 落葉色
青は 制服色
緑は たんぽ ....
電力が足らないよぉ
資源が枯渇してゆくんだ
地球が枯渇してゆくんだ
だ か ら
電力に変えたい 電力に変えたい 電力に変えたい


駅のホームおじさんが傘でゴルフのスイングしてる ....
時すでに コップの中の {ルビ水中花=すいちゅうか} お前は
ビタミンを含みながら落ちていく

お前のばか
嬉しいばか

お前は
ビタミンの味も知らないで
そんなに若くして
ビタミンを含みながら落ちていく

お前のばか
お前のばか ....
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