わたしのせなかというものを
つくっていただけるのであれば
どうか車輪の跡を忘れずに
しあがりのまえに
たっぷりと日干ししたものに
あなたというものを
ペダルにのせて
し ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
ベビーカーが坂道をすべりおちてゆくその横で僕は時間よ止まって
と強く願ったその頭上に響くヘリコプターの音にハッと仰ぎ見る空、
ちぎれるくらい手を振った
黙って。
言葉はどうしても、
誰かのに似てしまうから、
黙って。
蛇になりたい。
進化の袋小路で、
誰よりもまずおのれに忠実な。
蛇になりたい。
自分の巣穴を
役立た ....
かわいた草むらをかきわけて歩きながら、
甘いパンをわけあって食べる。
ふくらんだあなたの頬をながめていると
わたしたち死ななくてもいいのかもしれない、
だれかから許してもらったみたいな気ぶんに ....
わたし、どこやらに極楽があるとおもう
春の山道で
垂れ下がって咲いている藤の花と
それを咲かせている木が
じぶんの花も
たっぷりと咲かせているのを見ると
山藤はがむしゃらに這いのぼ ....
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