白紙
渡邉建志

 
はじめにあるのはくらやみだった
すべてうしなったきみのなみだが
こおってゆきになりくらやみに
ふりつもっていきもじができた

わたしはきみのそのしをみていた
しのよはくにうまるきみの
うしなったもののおおきさを
おしはかることすらできずに
ただわたしのうしなったことと
かさねあわせてよんでいた

ゆきよふりつもれ
きみのかなしみに
ゆきよふりつもれ
きみのくらやみに
ゆきよふりつもれ
きみのどんぞこに
ゆきよふりつもれ
きみがそのうえに
たつことができるまで

ゆきはふりつもって
しははくしになった
わたしはそのまえで
ただたっていた
 
 


未詩・独白 白紙 Copyright 渡邉建志 2006-02-03 18:21:59
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