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水銀の光の一粒が
横へ横へと動いている
ゆうるりと回転し
他の光をかき分けている


てのひらを巡る
遠いみちのり
つもるうつろ
熱の轍


まるめられた透明が ....
過ぎては消え 遅れては鳴り
ふたたび現われ 昇りゆく
水たまりの径
ふいの翳り


まだ水は冷たく
指をまわす
見聞きした風
伝えられずに


陽のはざまに揚まり  ....
わずかな凹凸が言葉をはじき
異なる言葉に積もり重なる
鳥やら 姫やら
肌やら 毒やら


木々のむこうをすぎる紙
たなびきは左へ
在るだけの音へ


まばたきのす ....
木琴が鳴る
放つことなく
受けとめるまま
木琴は鳴る 木琴は鳴る


明けてゆく夜
蒼つなぐ蒼
明ける色の手
見えない手


隅に集まる
光の渦
紙に染み込み
 ....
夕暮れと同じ色をした
雀の群れを乱しては進む
道標を飾る白い花
いつの世も悲しい子らはいる


わずか数秒のねむりのつらなり
分かるはずもないくりかえしのわけ
ねむりのまま ....
土色の声が
緑を曲がり
今は失い川を流れる


明るすぎて
からになる鏡に
満ちてゆく寒さ


地に残りつづける
光の矢のしるし
ただ置き去る音のほうを向く

 ....
重なりつづける眠りの底に
かすかに生まれ
浮かぶ手のひら


目をつむり 在るのは
無いということ
分からぬくらいに 
離れていること


隠しても隠しても
は ....
双つの雨音を右目にもどし
煙を数えて夜は明ける
みな何かをすぎてゆく
みな何かを置いてゆく


欠けた娘を肩にのせる
鏡の向きがいつもと違う
欠けた娘を肩にのせる


 ....
飛び立つ鳥のかたちの木と
降り立つ鳥のかたちの木とが
風のなかでとなりあい
はばたきと狩りを語りあう


常にどこかにいる冬と
めぐりつづけるものらとの
軋轢の色とかけらが ....
見崎 光さんの木立 悟さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつ_ひらく- 木立 悟自由詩608-4-25
ノート(ひとつ_撓む)- 木立 悟自由詩608-3-13
夜紙- 木立 悟自由詩307-12-27
ノート(打音)- 木立 悟自由詩707-11-16
波とかたち- 木立 悟自由詩1007-10-18
ふかみどり- 木立 悟自由詩607-10-15
ひとり_まなざし- 木立 悟自由詩1007-9-4
降り来る言葉_XXXI- 木立 悟自由詩607-7-24
ノート(かたち_さざめき)- 木立 悟自由詩1207-6-24

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