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くずれおちて 波に
さらわれても いつか きみの渚に
ながれつき たちあがる 砂の城で
愛のために そして死のために
おなじひとつの 星座をうたう
ここに 在ることの不思議
みんな 誰ともちがう
経路をたどって いまを
生きている のだから
しあわせを ひきくらべるな
うつくしい日和に うたを
うたいながら 少女は去った
封印に 桃のくちびるを
少年の おでこに
ぺったり 貼って
風物のうつろいに
あらがって
旅するひとは
いつだって 燦然と
独りである
たったひとりの あなたへ
とどく かもしれない
ことばの しんじつを
かんがえて こどくを
えらんだ のです
つぎつぎに矜恃の
虹をかさねて重く
はじけないように
あふれないように
みずからを律して
あかりを 消して
ひらいたら きずあとを
指で なぞって
たがいの からだを
すみずみまで 読む
金風が ふいている
豪奢な さびしさが
きみの横顔に かげをつくるのを
歌おうとして 韻律の
罠にはまっても 悔やまない
あるときから まいにちが
惰性になる 歳月は
ほどかれて だれのものでもない
くちびるの ふるさとへ
錘をおろしに かえる
かぜに うながされ
めざめても あめに
ぬれ うなだれる
ひそかに あまく
あこがれて むくわれず
いつかの風が 世界を
ひとめぐりして また
吹きつける おもわず
手でかばって はからずも
傷のありかを おもいだす
いま じぶんには
まだ 見えていないものが
あると ためらいながらも
言わねばなるまい 最大で
ひとり 必要ですと
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