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サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ
昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
濃い緑色の瓶は
ひんやりと冷たい
ラムネっていうのよ
ヒロコちゃんが
わたしの耳元でささやいた
花壇の柵に二人もたれて
瓶を高く掲げると
緑の濃さが変化した
きれいな瓶
....
シェリー・シェリー
元気ですか? という意味だと
いうことにして ビール
浮かんで浮かんで押し寄せる
図らずもまわるカラッポの観覧車の午後1時に
昨日電車から眺めた風景の残像でした
....
<?>
あなたの後姿と交渉
手前で落ちて届かない
無回転の言葉
戻らなくとも良いのです
あなたは決して振り返らない
<?>
夏が過ぎました
まだ暑いですが
....
感情の吐露です
それは美味いのですか
脂がのってるのですか
私は場違いではありませんか
大将、
はちまき ずれていますよ
ずれているのは何だっけ
そ ....
父も母も老いた
しばらく会ってないきみの両親も
老いたことだろう
時々ふと、水洗いでかさかさになった
きみの手を握りしめたくなる
というのはかっこのつけすぎかもしれない
十年た ....
街のはずれで老いた女が営む店は
闇色の菓子がたいそうな評判だったが
だれ一人材料や製法を知らなかった
ある時店が閉まったあとも
客の一人が見張っていると
老いた女は夜更けを待ってふらりと ....
きれいなものにあこがれて。
でも、てにとどかずに。
みにくいものがあふれています。
じぶんをせいとうかしようとして。
みにくくなっていく。
いきていくっていじがわるい。でも、しにたく ....
カーテンを開けると大雨だった
ひどく気が滅入る日曜日だ
さらに気が滅入ることに
カーテンを開けたのは彼女の方で
私は外で立ち尽くしていた
凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっきまで当たり前のことが
風ひとつ吹いただけで
何ひとつ理解できなかったり
その道理に畏れたり
....
ある日
ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら
カミリソだった
そりゃそうだ
*
ある日
ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
あたらしい
いのちが
うまれてくる
えいえんをゆめみても
おわりはくるけど
かみさまが
きみたちに
くださったのは
けして
くじけない
こころ
さみしくて
しず ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
料金が足りませんからと
窓口の向こうの若い局員は不機嫌そうな顔で
茶筒みたいにふくれた封筒をつき返した
そりゃあ、足りないのは僕の落ち度ではあるし
深夜勤務の彼にはちょうど今頃が
一番眠たい ....
嫌いな奴にぶつけてやりましょう。
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない
もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
捨て金魚をした
近所に川がなかったので
人の多い駅前に捨ててみた
金魚だってわかってもらうために
「大学と手毬です 可愛がってください」とでっかく書いた
気になって一日に何回も駅 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
裏庭のトマトをもぐようにわたしはわたしになまえを
いくつもつける
(たとえばフランチェスカ、など)
そこにいるわたしテーブルのうえのわたし
わたしがすでにいないところにいるわたし
テーブルの ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
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