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はじめてラブと出逢ったのは
新宿歌舞伎町にあるペットショップ
狭い檻のなかで怯えるように震えていた
あなたの瞳をみつめた瞬間から
ラブ
わたしたちはあなたの虜になってしまう
思わず ....
さよなら、さよなら、
記憶を解き放って
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空
枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている
....
今夜眠れないのは
熱帯夜のせい
ううん違う
だってエアコンだってついてるし
たぶん
明日のデートのせい
パジャマになっても
明日着る服を
まだ選びかねてたりして
明日 ....
古風な恋愛をしたいって
女優さんが言っていたような気がする
三歩下がって師の影踏まず
じゃなくて
それは夫唱婦随ってやつだよね
男尊女卑だと指差されそう
でもね
ちょっと考え ....
平たい大きな雲が
冷たい空気の上に寝そべって
暖かい空気をかぶったまま
空を旅してる
いろんな場所を見られるように
頭がたくさんあって
世界を西から東へ
ぷかぷか旅してる
ぼく ....
あの月は飛んでいるわけではない
浮かんでいるわけでもない
ただ、そこに在るだけだ
始まりから終わりまでの必然的な過程により
ただ、そこに在るだけだ
何を羨むことがある
私と同じでは ....
ソーダ水の泡
かき氷の雫
スイカ割りの一撃
球児の白球
蝉の羽ばたき
入道雲の高さ
夕立の土砂降り
夕暮れの風
花火の瞬き
祭りの笛太鼓
線香の煙
風鈴の音
....
涙が流れて色になる
どんなことであれ
何か一つのことができるまで
寒くて凍えそうになっても
暑くて動けなくなりかけても
泣くことを我慢して
ようやく成し遂げる
その時になって
自然 ....
一行が零れてきそうな
静けさに
眠りなさい と
夜は耳元でささやく
白い羽を揺らす誘惑に
応えようとする肉体
沼地の底に落とされるかもしれない
そんな不安は
片顔隠した月が
煙草 ....
愛にカタチがないのはね
きっと カタチがあったら 壊れてしまうからなんだよ
あなたは陽のように
わたしの胸を
つつんでくれました
わたしは影となり
あなたの心で
生かされたいと願うばかりです
あなたは哀しみをまとい
それでも生きようとする姿に
光り ....
きみが泣いているとき
ぼくにできるのは
ただ、そばにいることだけ
きみの好きな
真っ白い花をつんで
かかえたひざのとなりにそっと置いて
月の石のしずくのような
....
心配そうに見つめる 君 「大丈夫だって」
言い聞かせるように繰り返していた あのとき
なんで 素直に 「ありがとう」って言えなかったのかな
隠してばかりだった 隠していれば強くなれると思って ....
クジラは人間の
小便が好きだった
防波堤の影に隠れて
小便をする人間を見つけては
そおっと近づいて
その慎ましやかな水の流れを
うっとりと眺めた
もしあそこに
小さな虹が架かったら ....
馬でも風邪を引くらしい
何だかひと安心したりして
年末だったかな彼氏に連れていかれた
新宿南口の場外馬券売り場で見かけたのは
レースに夢中な父親とはぐれた幼い兄弟
通路に散乱する外れ馬券 ....
走ってきたんだね
わたしに会いたくて
走ってきたんだね
夕ご飯いっしょに食べようって
あの日のように
ほほえみながら
あなたは
瞳を輝かせて
ぼくのこころに
語りかける
そ ....
小さなうみねこが
街灯の上で恋をする
おもちゃみたいな波の音
テトラポッドにぶつかって
消える
苦しみのない海に
貝殻たちは寝転がる
わたしは桃の果汁を
うすい雲にわけてあげた ....
林の中の上り坂
豊かな緑の
新たに生まれる空気が
空につながっている
小川に沿った土の道
豊かな水の
新たに生まれる波が
海につながっている
暑さの中の涼しい風
豊かな夏の
....
咲きたいように
咲きたいだろうに
太陽がないと
咲けないの
それでもきっと
太陽が
大好きだから
いつも
追いかけてるんだろな
....
日暮れて 日暮れて
ひとりきり
だあれもいない畦道で
日暮れて 日暮れて
ひぐらしの
かなしい歌を聞いていた
かなかなかなかな
どこ行った
僕のおうちはどこかしら
道をな ....
{ルビ蜩=ひぐらし}の鳴く
夏の夕空に
紅く滲んだ雲のシルクハットが
傾いて浮かんでいた
{ルビ鍔=つば}の下に
もうこの世にはいない
あの人の顔が
見える気がした
....
駅ナカのカフェで一休み
こんな時は甘いもの欲しかったりして
ストレス解消だからと自分に言い訳
隣の席にはおんなのひとがふたり
何やら話し込んでいる
意味深そうな話
そして遠い世界の ....
あふれるほどの人々の思いを両手にしたわたし
前に進もうと動くと ゆれてこぼれそうになってしまう
{引用=
こ わ い な
}
大切なものこぼして失ってしまうの
....
おたがいに期待していた
思いやりと若さの不等式
淋しくて怒ってはみたけれど
甘えてみたりが出来なかった
あいこだね
ふたりクルマから
おりて空を
夜を見上 ....
朝が来たので洗面台で顔を洗っていたら
排水溝の中から声がしたので
どうしたのですかと尋ねると
流されるままに生きていたら
ここにたどり着いていましたと返事があった
申し訳ないですが僕は時間が ....
鳥の泣き声が
朝を告げて
あなたはあの空へと
羽ばたいていった
残された羽根は
栞ではなく
さよならを告げるための
置き手紙になった
いこう
この丘をのぼったら
一面の星空みたいに、きらきら輝く町並が見下ろせるんだ
キミの手をつないでゆくよ
いこう
澄んだ夏の青は
海を宝石のように輝かせるんだ
....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
僕は知らない
君がそっと泣いていることを
僕は知らない
神様がそっと二人を出会わせたことを
僕は知らない
彼が僕らの為に祈っていることを
僕は知らない
君 ....
金木犀が咲いたから電話したのに、いそがしいって
まさか、それだけ?って
うん なんでもないのって電話をきったけど
あの人ならきっと、スリッパで家を飛び出してきちゃうのに
息をきらしてき ....
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