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めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
それは約束された儀式
かりそめの情熱
どちらが先に瞼を閉じるのか
けものの眼差しとなり相手の出方を窺い合う
わざとらしく歯を閉じ
拒んでみせるのは
初々しさをこころにまとい
....
{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}
あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても
しあわせなら
よりしあわせになるように
そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように
できることなら
あなたの ....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる
それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
うそは泥棒のはじまり
だったはずなのに
ひとは誰でもうそをつく
愛するが故のうそだからと
あのひとは
目も合さずにつぶやいた
その場しのぎのうそを重ねて
針千本の〜ま〜す
....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに
例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように
もし ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか
ひとと比べることで見いだせるものとは
柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする
すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような
ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
はじめてラブと出逢ったのは
新宿歌舞伎町にあるペットショップ
狭い檻のなかで怯えるように震えていた
あなたの瞳をみつめた瞬間から
ラブ
わたしたちはあなたの虜になってしまう
思わず ....
古風な恋愛をしたいって
女優さんが言っていたような気がする
三歩下がって師の影踏まず
じゃなくて
それは夫唱婦随ってやつだよね
男尊女卑だと指差されそう
でもね
ちょっと考え ....
馬でも風邪を引くらしい
何だかひと安心したりして
年末だったかな彼氏に連れていかれた
新宿南口の場外馬券売り場で見かけたのは
レースに夢中な父親とはぐれた幼い兄弟
通路に散乱する外れ馬券 ....
駅ナカのカフェで一休み
こんな時は甘いもの欲しかったりして
ストレス解消だからと自分に言い訳
隣の席にはおんなのひとがふたり
何やら話し込んでいる
意味深そうな話
そして遠い世界の ....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
去年会社を辞めた先輩
久しぶりに会ったら
夏みかんみたいだったのが
色白美人に大変身
何があったのかな
街中で呼び止められても
しばらく誰だか判らなくて
どなた様ですか
だなん ....
ひとりで食べる夕食は
いつものように
電子レンジでチンして3分
たった3分
それでも3分
どうにも待ちきれなくて
電子レンジの前で腕組みしながら
ながめるタイマーは
永遠にカウ ....
良く頑張っているよね
そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする
お馬鹿さんだからなあ
そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる
いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
となりのひとの
新聞
読むでもなく眺めていたら
恋のひやりはっと
って記事が
目に飛び込んできた
おとこのひとに見つめられ
ひやっとして
揺れるわたしに
はっとするってことかな
....
こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる
洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた
防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた
はにかみ屋さんで
口下手で
....
近頃やたらと
涙もろくなっちゃった
なんでかな
自宅で映画の予告編を眺めていても
気がつくと
ぽろぽろしている
自分に気付く
やっと梅雨入りしたんだってね
紫陽花は
お隣 ....
一期一会
だなんて、ことばでは語りきれない
こんなデジタルの時代だからこそ
0と1の狭間にあるものを
あなたに伝えたい
それは
感動に震える心臓の鼓動であり
汗ばんでしまった掌の ....
誰かを好きになって
結婚して
こどもを産んで
ごく自然ななりゆき
なんだけど
それを人間らしさと言えるのだろうか
赤ちゃんを抱いた
お母さん
しあわせそうに見えるけど
割 ....
ねえ、ねえ、ねえ、
ねえってば
こんな感じに甘えたのは
あなただけ
生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔
こねこのように
ベッドの ....
この黒い塊に火をともせば
星空にくゆる灰色の煙で
ふたり。息苦しくて
思わず咳き込んでしまいそう
エンジンを切った
深夜の車内は。ことさらに寒くて
あなたの手のひらだけが
あたしの温 ....
森下 流華さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト
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