呼吸を実感したくて
息を止めると
きみはどうしたのと笑った
どうもしてないよ
ただ
死んでみたくなっただけ
そう言って僕も笑った
昨日僕が鍵を閉めた
空調の整った部屋
まるい天井 ....
むかしはさ、日本にもカミサマがいっぱいいたんだよね。それこそそこら中に。外に出たらいたるところにいたし、テレビをつけてもそこら中にいた。んで、みんなそのカミサマを見て、喚起したり溜息をついたり ....
目の前に2本の道があって
そっちに行こうか
あっちに行こうか
迷ったその時は
ワイルドなほうを選ぶんだ
いつもニヤニヤしてるやつらと
楽しそうに喋って
あとで陰でこそこそ馬鹿にさ ....
街灯は白んで路地を見下ろす
檻の中で眠るよりも
コンクリートに背を預けて
何度指を切ったか忘れた
さみしくない
かなしくない
別に嬉しくもないが
手を叩く
子供みたいに
空白 ....
乳飲み子がやって来た。その兄の二歳児にも手を焼かされる。
母親と祖母が二歳児を夜の散歩に連れ出した。外へ連れて行けと泣いてきかないのだ。
その間、乳飲み子をこの私があやす。
「 ....
蛍光と極彩が喧嘩をしていまして
それを見ていたパステルがコワいコワいと泣いたそうです
それは昨日のことですから
今はみんな仲良く
パステルを囲んで
いやぁ したたかな子です ....
詰まる所さ
自分が一番可愛くて
優先順位が頂点なのさ
奇麗事を謂う輩
お前も自分が一番可愛いだろ、
そうでなきゃ今すぐに
其処の銃で頭打ち抜けよ
流れる血さえ愛せるって
ほら判るか ....
大久保の
一時間180円という激安漫画喫茶で
窓を少し開いて
数年前には
電柱の影に立っていた
外国人の
胸や脚をみせた女たちがいないなあと思う
五年前には
ここから彼女たちをみつめて ....
この際ニートになるのもいいね
日差しも風も
私を置いてけぼりにしたまま
すっかり秋めいてしまったから
もう
何にもやる気が出ないんだ
この呟きだって
惰性のよ ....
パルとニュウはあやとり専門学校で出会った。
二人は毎日仲良く電車に乗って家に帰る。
MP3プレイヤーのイヤホンを二人で耳に片方ずつ着け、
パンクバンド「五体満足」のファーストアルバムを聞きながら ....
えれえるえろてかえろていく
子は鎹親のこころ子知らされず親知らず抜かされずおずおずと出された鉢に手を叩かれて蝿に集られて附けられず続けられず告げられず悩めず出あわず生み出されずなにもつくらず営ま ....
誰からも愛されていない
代わりは幾らでもいる
自分に意味など無いのだと
鏡を眺めながら苦笑する
別に誰でもいい
自分でなくとも構わない
誰かで在ればそれでいい
こういう世界
そんな ....
ぬるい空気と湿度の交差が
ここに存在している
佳く判りすぎる図式
不味い菓子を口いっぱいに詰め込んで
なめし革で誂えた皮膚をみる
糖分を取りすぎたさかな
僅かな
猥らと自らを模したモ ....
夏のにおいがした気がして
夜のカーテンを翻す
ヒタヒタ星が汗かいて
慌てたカエルがもがいている
梅雨はまだ来ないのに
あのコはかっぱを毎日着ている
彼はやじろべえ
あっちにぽ ....
「あしたは桜を観に行こう」
土曜の朝
なにやら騒がしいと思ったら
恋人が楽器をごそごそと出していた
ギターにキーボードにコンピュータ
それから何か良くわからない線とか
テーブル ....
たたかって
たたかって
かなしみをえらんで
かなしみにえらばれて
たたかった意味さえなくして
月がゆらぐ
夢がとおくに消えてゆく
それでもおまえ ....
からっぽのぼくだけど
きみでは満たされない
本を読んだら
真っ黒のジュース
ぼくに満たされる
からっぽのぼくだけど
よれよれにはなっていない
天日干し一夜干し
流れ星がいいな
目 ....
イチローって大麻やってそうだよね
セルフメディテーションとかいって
どうでもいいけど
イメトレってそんなに大事なのか?
ひとつ徹底的に考え続ければ
大抵のことはわかるだろうが
戦争とかは抜 ....
ねえ意地悪いわないでよ
もう少し後にしといてよ
言い値でしとくよ、そら
ほんとさ急かすなよ
もう後になんか引けないし
通る人の目も冷たいし
翻弄されては儘だし
かという訳も手は無し
....
明日できることは明日する
今日しかできないことはあきらめる
定時まで残り時間を数えつづけて
何回休憩できるか計算をする
返事は良い
小言は真面目な顔で聞く
メモだってとる
たいしたこ ....
気が付けば ボクの尻尾が切られてた
可愛いのにな、ゆらゆら揺れて。
草原を自由気ままに走ればいいの
緑の匂い、土の中を想像しながら
だって
きみと離れてしまえば
流 ....
真昼になると
饒舌になる空の色
僕は嫌いだ
昔から夜のほうがすき
もっと細やかに
動いている光の粒子を
眺めたい
窓越しにでも
ほら
手足がしびれても
誰が呼んでもふりむかない ....
雨上がりの
サッカースタジアムで
ボールを追いかける
夢遊病者
ゴール前に
ピンクの象がいて
ロングシュートが
決まらない
タンポポがゆれて
試合終了のホイッスル
パジャマ ....
僕が生まれた小さな町では
毎日が大停電の夜だった
プロレス中継がツーカウントで
中断してしまうことは
日常茶飯事だったし
髪が乾かぬうちに
ドライヤーの熱風が
消沈してしまうのを理由 ....
記憶の欠片に
そっと 指先が触れて
灰色の空を流れる感情
切り離したくなるような
非現実
ゆらゆら
揺らめいて
漂うだけ
張り裂けそうに動き続ける
誰もいない
....
あ、か、い、ち、
あか、いち、
私 今日女の子になりました
でも私は
自分がこれからどんどん汚れていくのだと
怯えていた
ただ一点を見つめて
あか、い、ゆう、
....
覚めない悪夢
覚めても悪夢
この私が在る限り続く
無限 終わらない贖罪
見えない手錠
過去へ繋がる鎖
螺旋階段を彩る棘
蒼穹を貫く翳りの矢
繰り返す悲鳴頭痛嗚咽
苦しみか ....
父さん、殴れ
瓶がばかばか落ちている
どろっとした内容物は
ふくらんでいる
覗き込んでは
ぱんと破裂する
太鼓をたたく
父さん、殴れ
棒がぼろぼろ落ちている
虫がたくさん食っている
....
空にはしごが掛かっていた
消防車よりも
うんと長いはしごだ
足元には
きれいに綿布で包まれた
弁当箱が置いてある
きっと箸箱のように
明るい性格の奥さんが
毎朝持たせてくれるのだろ ....
たまたま日本人だった
たまたま男だった
たまたま右利で
たまたま魚座だった
たまたまA型で
たまたま佐賀の生まれ
たまたま親が離婚して
たまたま結婚が遅れた
たまたまイスラエル人で ....
1 2 3 4 5