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干乾びた小動物の
骨を拾って土に埋めた
湿った赤土の上を
ゴム製の靴底で踏みしめたから
今度生まれてくる時は
強い動物になるのだと思い込んで
きつく きつく 手を合わす
仕来たりなど ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの
お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。
窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて
帰ってこない のに
201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
絹の目に風が通るような
さらさら と暖かい日差しが
空から降って来る度に
少しずつ体が 溶けていくようです
束ねた髪を解いて 窓辺で
流れる光と花の香り
白い手をかざして 空
高く高 ....
眩しい空を 眺め過ぎた僕は
涙のように 暖かい 目薬を差しながら
「タマを探しています。」の
張り紙を 貼った
3丁目の電信柱の 角を曲がる
湿った目に もうすぐ気持ち良い刺激が
訪 ....
あの人の ま白な指が
麦茶 冷やす 流水の川を
チロチロ と 泳ぐ朝
日傘の 影から
「日に焼けたくないのよ」 と
うなじに一つも 汗をかかずに
水辺色に 魚跳ねる
絽の着物 着て
....
蚊のはなし
鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)
家に帰り着く頃には ....
上空を旋回する鳥
海の上を跳ねる魚
空中でひらひら浮かぶ蝶
強い風に集って走る種子
飛行機雲と共に舞い上がる人々
地上に立つ私の足元に影
太陽が低く落ちたら
延々伸びて 陸を飛ぶ
....