すべてのおすすめ
世界は止まっているんじゃないかと思う ラジオをつけてみる よかった 世界は動いている
灯りは消灯だけだ ブルーメタルのMDコンポに浮かんでいるデジタル文字が網膜に焼き付く
世界はラジオを通し ....
巨大な波が船を覆い被さって船員達は一気に目が覚めた
ギラギラと照りつける太陽が眩しい
船底が水浸しだ
片足の無い船長に怒鳴りつけられ 船員達は踊る強靱な肉体を動かして水捌けをする
....
君の声は今も変わらず僕の心に残っている
か細い優しくそして甘い声だ
僕は君の顔に出逢った瞬間に心臓が止まるぐらい惹かれたのだけれど 時間が止まったと表現すればいいのだろうか さらにその魅力を ....
誰かのことが思い出せない
交通事故のショックであなたは自分を守る為にある記憶を抑圧されているのです と入院先の医者から言われた
僕は何の記憶が抑圧されているのか色んな人々に聞き回った しかし ....
世界中を見渡せるような高い木がある
生き物達はそれを世界樹と呼ぶ
世界樹の周りには世界樹を神として信仰する生き物達が集まって放射状に大都市が造られており 一大国家が築かれている
空には飛 ....
夜空から眠りながら流れ込んできた闇が目を覚まして何処かへ消え去ろうとする頃 夜明けがやって来る
生き物達は眠りから目を覚まし体を伸ばして1日の到来を冷たくなった皮膚や外殻に感じる
僕は今夜も ....
作曲家は空腹を誤魔化す為に暇さえあればずっと眠っていた
それ以外は作曲に専念していた
でも曲が売れなかった 彼の曲はこの時代に受け入れられなかったのである
眠っている間 彼は実に様々なこ ....
君が死んでから幾つもの日々が流れただろうか
残されているのはこの風景だけ
今も変わらず風に吹かれて立ち聳えている
僕は風景の守り人として一生を捧げようと思う
だからこの場所から離れず ....
今の時間から親友が集まる木の上の秘密基地へ行く
夜も更けて満天の星空が顔を出している 月の時計が僕をウキウキさせる
濃密な暗闇は景色に馴染んでいて リュックを担いで夜道を全速力で走る
僕 ....
西暦2500年の世界は 人類は月に移住していて緑豊かで特別争いも無く暮らしている 僕は近いうちに月へ移住するつもりだ その為にはかなりまとまったお金が要る
僕は肉体労働をしながら詩を書いて生活し ....
星空を君と見たい
月が嫌いだから月のない夜に
空が澄んでいて雲が確実に動く
魔法使いが箒に乗って空を過ぎりそうで
冬だけどこのまま眠ってしまいそうで
君が横にいることがとても幸せ ....
天変地異が起こった 悪霊達がハルマゲドンに全世界の王達を集めた
一人の緑豊かな国の王が言った これからどうします?
一人の砂漠の国の王がこう言った ここにミレニアムキングダムを創れと先程あな ....
12枚の羽を持つ天使長ルシファーは神に背いて自らの王国をつくりだそうとした
ルシファーの誘惑によって全ての物体より数の多い天使達の3分の1が寝返ったのだ
そうして天界大戦争が起こった 僕は熾 ....
君は踊り続ける
君のような人間はいない
僕と合わせてくれるような人は
一緒にスコーンを食べてくれて
一緒にファンタグレープを飲んでくれる人
一緒にお風呂に入って
一緒に髪を乾 ....
自分の歌声に酔いしれる黄色い小鳥
あぁ俺はきっと世界一歌が上手いんだなぁと思った
黄色い羽もチャーミングだしきっとあのままペットショップにいたら雌にモテモテだったのに
でもこの歌は飼い主 ....
冷たい空の下街を見下ろしながら死に神は救急車のサイレンに合わせてリズミカルに踊る
ママからプレゼントされた巨大な鋭利な鎌を振り回して それは血塗られた三日月のようだ
今日も魂を刈るのが楽しみ ....
子供の頃は空が低くて狭かった
僕が目が悪くてそう見えただけかもしれないが
僕の記憶の中ではいつも同じ空が広がっている
それは鉛色に曇っていて 今にも雨が降りそうで 胸とくっつきそうで圧迫 ....
部屋はおでんと25年前に母が買ったサーモンのシルクのブラウスをアイロンがけした匂いで満ちていた 母や妹の衣類が僕の部屋のクローゼットに入っている 家が狭い為だ 明日妹が着るブラウスをクローゼットので ....
君の家は君以外誰もいない
僕は毎日のように朝早くから君の家にいて夜遅く帰る
家の周りには草が生い茂り 花が咲き誇っている
僕はきまって上下白の服装で来なければならない ベルトも靴も白でな ....
時々にしか会えない 僕の夢の友人
友人は僕のことを全て知っていて 親友と呼ぶのに相応しい人物だ
僕も友人のことを全て知っている
無限とも思える夢の中で 初めて会った時に僕達は阿漕な宇宙が ....
RADWIMPSの『ふたりごと』を聴きながら空想していると現実感が無くなり浮遊している気分になる
部屋は太陽に飲み込まれたように真っ暗だ
無限の時を刻んでいるように聞こえる置き時計は僕達には ....
貴方の神は目の前に
天地を支えておられる
暖かい心に包まれて
永遠を授けられるのです
たとえ絶望に陥っても
神は貴方を掬い出すでしょう
たとえ苦痛に苛まれても
神はそ ....
彼は準盲目のピアニストである
普段は鍼灸按摩を専業としている
ピアノだけではまだ飯を食っていけないからである
彼は指先の感覚が鋭く マッサージ屋で人気の一人である
夜遅くまで働いた後 ....
時計の針は静かにキャベツを刻んでいる
僕は暗闇の玉を抱えて外の世界と限りなく近く相対的な関係を保っている
深夜の間は僕は自由に動けるのだ ドラキュラのように昼間は思うように動けないのだ 僕は ....
僕はある国の宮廷道化師さ
体が小さいんで住んでた役に立たないと村を追い出される前に宮廷の騎士に雇ってもらった
もちろん雇ってもらう前に散々笑われたよ 「お前みたいな奴は人間じゃない。?小人? ....
64000もの煩悩が僕を苦しめる
業惑縁起に翻弄されながら僕は阿羅漢になる為に全ての煩悩を断ずるつもりだ
けど無余依涅槃に辿り着いても永遠を手に入れるだけで何も良いことがないじゃないか
....
君が 初めてだった
僕が病気であることを敬遠したりせずに心から心配してくれて
僕が詩人になることを笑いもせず誰に言うこともせず(病気のことだってそうだ)まるで夢物語を聴くみたいに心から応援し ....
6月の京都の雨の暗い午前中に縁側で印象派の絵を描いている 庭には草木が生い茂っていて屋根からぽつりぽつりと雨が垂れている 僕はそれがやけに気になる 草木の湿った匂いがする 居間には僕の描いた絵画や印 ....
北アメリカの森林地帯に生息するアメリカクロクマ達は今日もそよ風に吹かれながら何かを聞いている
みんなが春の陽気に包まれて 幸せに暮らしている
アメリカクロクマ達は余計な分の餌を獲らない 大自 ....
僕の仕事は重罪を犯した人間を死刑執行人として処刑することだ
とても責任が重い仕事だ
今日も刑務所に罪人がやって来る
ひょろっとしていて猫背で全身が青白く目玉がぎょろっと出ている男だ
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