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与えられた絵具の
いちばん暗い所を指さして
言われたことが
愛でした
あんなにためらいなく混ざりあったから
すっかり忘れていたけれど
紫は
海と血で出来ている
ずい分時間が ....
やがて水が
熱を帯び
傷んだ管のひびわれは
取り返しようもなく波打って
かつて海であった記憶をたぐる
かなしみはコンクリートをふちどって
どれだけ抱いても減らない全てに
途方にく ....
名まえのもとに咲く花があるだろうか ことばからはじまる思想があるだろうか
槐、槐 蜂は最初からしっていた こぼれる密の甘さを
槐、アカシア 隣り合っても争わず
咲く白と黄色の狭間に立ってみれば ....
春の三時は直角 直角チョコレート 食べると飛ぶ猫 まる三角は頂点 ちょっと折れたチョコレート食べると青い 冷蔵庫 草原のかたまり 驚いた 三時は直角 踊った三角は頂点ちょっと滑る 男の子 草原は ....
ふらふらする三月を歩きぬいて始まりへ。海の色は裏返って安寧。わたしの思いえがく神さまは、いつもわたしとよく似た顔で笑っている。
1、1、1、1、1…
まだ数えている。たどり着くためにはじめたものた ....
くちの中が腫れて
ぎゅっと膿をしぼる
吐きだしていまいましいものは
いつもいつも私自身だったものだ
誰かが死んでいて
わたしたちは抱き合っている
朝
誰かは必ず死んでいて
痛いまま
泥へ促される
わたしは抗わず
誰の手もつめたくない
忘れものを忘れたまま
延々とあかるい ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた
気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる
それから、立ち上がって
なにもかも行き届いた ....
海にでる  列車は
これでさいごだよ
指をさす老婆の皮膚は
ひびわれて
海へ
願った
最初のことばだけを
かばんにつめて
ふるえていた
かきかえられた地図と
....
あわ立てたミルク
窒息死
外れた戸から
ぬれたぜつぼうが
はいってくる
言葉はしめっていたがよく燃えた
ガス・スタンドの男と
寝てきたせいだろうか
からだをほどいて
時間を失くした
生きていることは
良いことでも
悪いことでもないね
(2:24)
夏の底では
夜が冷える
縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ
(3:39)
季節がかわるときに
おもいだしている
漣のような
残酷さで
....
たくさんのひとの中にいて話していると
からだがだんだんうすっぺらくなる
笑ったり怒ったりしている人たちのなかで
からだがだんだんうすっぺらくなる
頭のなかに大きな丸をえがいて
からだがだ ....
鉄塔の切先に白い烏がとまって喚いている 物事の切先に頭の良くない蛸が絡みついて喚いている 夜のえりあしが伸びきった性器に引っ掛って喚いている 敵はどこだ?
白い白い夜明け の向う側に 見えるか ....