2005
水町綜助

 銀色の電車が水の中を走って
 クレイジーパターンの看板
 ヘッドライト電灯に炙りだされた
 乗客たちの吐く息は白く
 白く浮かんでから固まって落ちる
 カランと音を立てて
 真っ赤に錆びた沈没船
 冷めないスープ乗せて
 海溝から昇るシャボンに崩されてる
 眠っていたよ僕
 誰が見ていた景色なんだろう
 トンネルを抜けてひかり
 君が海をのぞきこんでた
 幻惑を覚える僕
 僕に幻惑を与えるのは君
 パレットが割れたような彩り
 君が僕に差し出すんだ
 飛び散った絵の具
 空と海に染み
 僕は初めていろいろなことを知った



自由詩 2005 Copyright 水町綜助 2008-02-12 14:52:36
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