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近頃やたらと
涙もろくなっちゃった
なんでかな
自宅で映画の予告編を眺めていても
気がつくと
ぽろぽろしている
自分に気付く
やっと梅雨入りしたんだってね
紫陽花は
お隣 ....
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る
ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い
ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
....
友達同士は
そのとき気分で
だなんて
なんだか寂しい気がするな
友達だと思っていても
困ったときには知らんぷり
お釈迦様の蜘蛛の糸。とっくに切れてしまったよう
ファイト・ ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた
ずっと憧れていたこ ....
誰かを好きになって
結婚して
こどもを産んで
ごく自然ななりゆき
なんだけど
それを人間らしさと言えるのだろうか
赤ちゃんを抱いた
お母さん
しあわせそうに見えるけど
割 ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから
と
あの人は言った
ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか
思いとか信じるとかのことなの
そう尋 ....
ねえ、ねえ、ねえ、
ねえってば
こんな感じに甘えたのは
あなただけ
生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔
こねこのように
ベッドの ....
あなたに似ている
と。言われたくありませんでした
わたしはわたしに過ぎず
あなたのクローンではないのだから
あなたがいなければ
生を授かることはありませんでした
それだけは否定でき ....
メガネをはずした
わたしの素顔
おとこのひとにはじめて見せた
胸ボタンの間にネクタイを押し込め
腕まくりした。あなたは
同僚を叱咤激励して
そんな。あなたに恋焦がれていた
それで ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技
わたしが何を考えていようとも
お構いなし
空気のような存在
親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの
グラデュエーション
今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる
北の国よ ....
らっきょの「ら」
らっぱの「ら」
つるつるって食べるのも
あったよね。
そばぢゃないよ
わたしって。左利きで
不器用すぎるから
はさみさえ上手く扱えなくて
型紙から
あなたを ....
たましい…だなんて
古臭いことばを
ミルクパン
で。どろどろに溶かしたら
ハートの型に流し込む
いつから
だった
かな
球体関節人形の
股間から
生まれてきた。わたし
だ ....
嫌になるときだってあるよ
そう言うと
友だちは笑顔でうなづく
さほど広く無い部屋に
ふたつ机を並べ
四十六時中
お互いの気配に触れ合って過ごす
それでも机と机を隔てる
背の低い ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる
雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....