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私の影がそろりと
地表から剥がれる時
私はやはり独りで
遠く空を見上げているのだろう
そして夜毎夢の中で
出逢う死者たちは
いつもと同じ柔らかな手を
差し伸べるだろう
けれど彼 ....
昔覚えたうたのような
還る記憶にうつ伏せて
包まる毛布の
裏葉色に眠ろう
小さな迷いがやがて
声を嗄らす前に
今宵のほつれた
カーテンの隙間にも
人知れず月は失わず
....
ぼくがいなくなっても
さみしくないように
きみのまくらもとに
ちいさなかみさまを
おいておくよ
あるばんにだれにも
はなせないことがあったら
ちいさなこえで
ちいさなかみさ ....
君が僕の詩を待っている頃
僕は君の声を待っている
賑わう街では肩を擦らせながら
人々が振り返らずに先を急ぎ
増殖した三角ポールは
国道の硬いアスファルトを齧っている
橋を渡れば ....
彼方の灯火を目指して
星が時間を登っていく
宿題を忘れた子供のような顔で
君が僕から目を逸らす
様々な哀しみと喜びの選集を
投影しながら窓枠を
低速で横切る薄い雲
ガスレンジ ....
きみはパンダなんだから
ささたべて
ごろごろころがって
きままそのまま
パンダライフでいいんだよ
ってあなたはわたしに
いっつもいうけど
わたしホントは
パンダじゃないんだけど ....
こんどは
そらだけを
みつめて
いきられる
ものに
なりたい
風の言葉は聴かない
大きな波間に揺られてしまうから
静かに耳を閉じて
心の水底を漂うだけ
哀しみの理由は知らない
日々を馴染ませる湿度のようなものだから
低空で胸を開いて
攫 ....
たあいも ないことで
かんたんに
きずついたり
しぼんだり
やわらかな
きみの たましいは
まいにち とっても
いそがしい
だけど どれだけ
いそがしくっても
....
ことばにならないこと
ことばにするから
やさしい
かたちをもたないもの
かたちにするから
たのしい
なんでもあるようで
なんにもないせかいと
なんにもないようで
なんでも ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう
降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう
始まれば ....