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ふいに 
{ルビ痒=かゆ}くなった腕をかいたら 
思いのほか 
しろい爪は伸びていた 

( 窓の外には風が吹き 
( 緑の木々が  
( 夢を{ルビ囁=ささや}く声がする 

はた ....
窓辺の{ルビ日向=ひなた}に置かれた{ルビ壺=つぼ}は 
ざらつく{ルビ表面=おもて}を 
降りそそぐ日にあたためて 
まあるい影を地に伸ばす 

窓辺の日向に置かれた壺は
「何者か」の手 ....
窓辺には 
ガラスケースにしまわれた 
誰かの心臓が置かれている 

真夜中の無人の部屋に現れる 
今は亡きピアニストの面影 

奏でられる旋律に 
永い眠りから覚めた心臓は 
脈を ....
終電前の 
人もまばらなラーメン屋  

少し狭いテーブルの向こうに 
きゅっ と閉じた唇が 
うれしそうな音をたて 
幾すじもの麺をすいこむにつれ 
僕のこころもすいこまれそう 

 ....
わたしはいつも、つつまれている。 
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの 
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような 
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。 

その手の一つは、親であり  ....
お得意さんの取引先から 
オフィスへ戻る車内

助手席の窓外は 
穏やかな{ルビ田舎=いなか}の村と 
夕焼け空の陽の下に 
広がる畑 

窓を開けた隙間から 
入る風に 
前髪は ....
目の見えない人が歩く 
前にいる友の背中に手をあてて 

目の見える僕も歩く 
いつも前にいる 風の背中 に手をあてて 

そうでもしないと 

ささいなことで気ばかり{ルビ焦=あせ} ....
小原あきさんの服部 剛さんおすすめリスト(37)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
爪切り_- 服部 剛自由詩9*07-5-26
日向の壺_- 服部 剛自由詩10*07-5-24
窓辺の心臓_- 服部 剛自由詩12*07-5-24
ゆげのむこう- 服部 剛自由詩19*07-5-21
椛の木陰_- 服部 剛自由詩25*07-4-24
畑のにおい_- 服部 剛自由詩9*07-4-24
風の背中- 服部 剛自由詩12*07-1-22

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