風の背中
服部 剛
目の見えない人が歩く
前にいる友の背中に手をあてて
目の見える僕も歩く
いつも前にいる 風の背中 に手をあてて
そうでもしないと
ささいなことで気ばかり
焦
(
あせ
)
り
よたついて
溝
(
どぶ
)
に落ちてしまいそう
自分勝手なこころの波に押し流されて
だいじな人さえ傷つけてしまいそう
目の見えない人のほうが
目の見える僕より
見えている
いつも前にいる 風の背中
暗闇をゆるやかに
裂
(
さ
)
いて
吹き抜けてゆく
明日への通り道
自由詩
風の背中
Copyright
服部 剛
2007-01-22 09:42:01
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