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紫が染みだし跡を残した
眠りかけの紫陽花は
次々に色を手放していく
雫に色が宿り
すがりつくわたしを紫陽花色に染めていく
柔らかな土に倒れる体
内側に眠る紫が
わたしを飲み込み根 ....
やわらかなシーツに包まれて
そっと盗み見る
ゆるやかなウエーブの髪に指を絡ませて
唇を寄せる
幸せそうに眠る
起こさないようにベッドから降りようとして
冷たい床に足が触れる前に
....
白い花が咲き乱れた
僕は花の名前を知らない
囲むようにして
ごく自然に永遠がそこにあった
湖に出来た波紋のように
ひとしずくの僕が踏み入れたその地で
吹き荒れる風が花びらと共に僕を連れ去っ ....
窓際に並べた氷がとけていくのを眺めていた
わたし以外に誰もいない
広い部屋の中で
ひざをかかえるように小さくなって
息を潜めて
日が落ちて暗くなっていく
とけた雫か
わたしを伝って流 ....