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車窓がくもって何者かが問いかける
移民の悲しみ似た淡くはかないものだ
いくつかの希望を抱いて死んでいった
若者の中の一つの宇宙だ

車窓がくもって見えていたものが歪む
ひときれのパンに空い ....
開け放たれた窓から
夜風がカーテンを揺らし
月の光がこぼれだす

少女の眠れぬ夜はするどく
闇の中へと切りこんでいく

少女がひとさし指で
空をなぞるように
星の数をかぞえている
 ....
教会の鐘を逆さに春の闇

わが死後は一匹の蠅のみ知るものを

澄む空とわが髪からむ青嵐
翼の先はすぐに郷里や夕燕

飛ばんとし両手拡げり種案山子

母の老いあざむき香水闇にひかり
春の蚊におのれかさねて詩人の詩

沈丁花抱けるだけ抱き母貧し

訛りなつかし語り返さん葱坊主
雨の日に
美術館の裸婦像は
艶やかに
やがて本当の姿を見せるだろう

ぼくも同じだ
ぼくの想いは風に乗り
雲と流れて地球儀の裏側の
ひとつの地平となるだろう
暖められた卵のように
 ....
萩原重太郎さんの村木正成さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
行くあてのない列車に乗って- 村木正成自由詩1007-5-10
イメージと空白- 村木正成自由詩10*07-5-3
春の闇- 村木正成俳句5*07-5-3
郷里- 村木正成俳句3*07-5-1
詩人の詩- 村木正成俳句2*07-4-30
ぼくの地平- 村木正成自由詩14*07-4-27

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