すべてのおすすめ
彼は一度もピアノを見たことがない
白いところと黒いところが
どんな風になっているかを
彼は知らない
彼の耳には
白いところと黒いところの
音が聴(み)える
彼の音に ....
今日で一年が終わってしまいます
贅沢できなかった日の方が多いけれど
笑えた日をたくさん思い出しています
今日で一年が終わってしまいます
慎ましく生きた日の方が多いけれど
喜んだ日をたくさ ....
モンシロチョウが飛んできて貴方の心を奪ったの
気が遠くなるような炎天下あの夏の日
貴方の心はよろめいたアタシは思わず叫んでた
行かないで行かないでアタシを残して行かないで
アタシはおもむろ ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
付き合ってたって?
同窓会の席で唐突にきかれた
は? 誰と?
と 聞き返すと
詩の交換してらがったって
話 聞いてきたど と
興味津々の同級生
確かに 詩を見てもらった同 ....
正月を飾ること
それは時を飾ること
できるだけ綺麗に
できるだけ美しく
飾ってあげたい
正月を飾ること
それは時を迎えること
できるだけ広く
できるだけ多く
迎えてあげたい
....
みずへらしのお仕事は
毎日毎日水を減らすこと
とにかくいろんなところを回りながら
どんな水も減らしてしまう
あの子が悲しくならないように
涙の粒を吸い取って
ごくりごくりと ....
氷のような風が
朝からずっと吹いている
体を凍らせて
心を縮ませて
地面を向いて歩いている
でも見上げれば
海のような空が
朝からずっと広がっている
体を伸ばして
心を開けて ....
時々自分がどこにいるか
見失うことないかい
きっと誰にだってあるはずさ
一度や二度や
もっと頻繁にある人だって
きっといる
存在を証明するものは
結局何か
彼女のお ....
人は
可能性がある限り
その可能性を信じ
どこまで行けるのか
力尽きるところまで
走り続ける
人は
未来がある限り
その未来を信じ
どこまで望めるのか
見通せるところまで
進 ....
静かな湖面に
あなたとわたし
ふたりきり
いつもは感じ得なかった
あなたの男らしさを
ちょっと見直してみたりして
(フレアミニなら喜んでくれたかな
季節はずれの湖面に
あなたとわたし
....
旅をしたい
計画のあるものではなく
行きたいと思った時から
電車に乗っている
どこで降りるのか
わからないけれど
どこか遠くへ行ってみたい
旅をしたい
目的のあるものではなく
感 ....
あたしの体は商品です
なんて
陳腐なことは申しません
シケモクはまずいのです
でも
あの感触は あたしを大人にしてくれるようです
あたしに覆いかぶさる男の人は
いつも ....
時というものは
幸福な思い出を
少しずつ削りながら
現実を幻へと変えてゆく
時というものは
不幸な思い出を
わずかずつ慰めながら
現実を夢へと変えてゆく
時というものは
人と ....
夢と心を
夕空に放ち
林檎を かじる
しゃりっと
音を出す度に
淡くなる空
雲のドミノ
神が倒さない
ミルキーロード
気流が駆け抜ける
鳥のダンスに拍手を送る
夕 ....
うれしい朝だね
ほら、鳥がみんなで飛んでゆく
きっと
空にあいさつをしているんだよ
明るい朝だね
ほら、子供がみんなで遊びにゆく
きっと
思い出をつくりにゆくんだよ
優しい朝だ ....
あの頃、私若かったから
それが恋だと気付かずに
空気ばかりを殴ってた
急に、昔に戻っても
結局あなたを前にまた
空気ばかりを殴るでしょう
「それが恋だ」
と気付く程度に
成 ....
苦い思い出 噛締めて
どうにもならない過去を振り返っても 何も出来やしない
過去なんか振り返らずに 前だけ進めばそれでいい
口では簡単に言えることでも やっぱり振り向く ....
旧校舎の
三階と四階の間の
踊り場の窓から覗く景色は
いつも違う
ことを知ってるのは
私と少女だけ
少女は
私たちと
制服が違う
遠いところから来たから
ただそれだけで
何か ....
母が苦手だった
僕のこと
何でもわかってるように言うから
イライラした
でも
母と大喧嘩した日の夜
ムシャクシャして寝付けなくて
水飲みに降りた時
僕は 見てしまったんだ
....
植物に炭素が良いからと、
畑に、ダイヤモンドをいれても
....
人、人並の生活ができれば
幼い日の貧しさも遠の ....
そうさ僕らは地上のマグロ
動いてないと苦しくて
走っていないと死にそうで
泳いでいないと息すら出来ない
目的地なんて何処でもない ぐるぐる ぐるぐる 巡ってる
....
そういえば
愛していた名前を忘れました
みっともないなぁって
笑ってました
毎日毎日
ターンテーブルに向かって
韻をふむのです
そしたら
右と左が分からなくなりました
....
冬の大雨の日
どこからともなく
ノラ猫は家の庭にやってきた
近所では名の知れた
図々しく生きるヤツらしい
汚いから触るなと
大人は子どもに言い聞かす
力を失いかけながらも
木の ....
黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。
階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた ....
ニキビひとつ
君を想えば
潰れてしまって
君への愛が
膿となって飛び出す
愛愛アイタタタタ
潰れてしまって
君に会えない哀しみが
膿となって飛び出す
哀哀アイタタタタ
....
君が誰も信じられなくなり
泣きそうになったら
僕のところへ
戻っておいで
君が悲しくなり
誰かが
恋しくなったら
僕のところへ
戻っておいで
甘えるところも
寂しがるところ ....
街では
緑と赤がすべてに取り付けられて
大きな箱と声で賑わっている
何もかもが動
聞こえてくるのは
心を後押ししてくれる
楽しい曲
心が奏でられる
街の賛美歌
森では
緑も ....
部屋のキャンドルライトが
グラスをほのかに照らす
あとは二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
外の星空の光が
時間をかすかに止める
今は二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
....
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