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駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった
逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
小さな水口から
待ちかねたように水がほとばしり
山吹とコデマリの花びらを散らして
春色に染めていく
かたわらでは
田植えの準備が賑やかで
初めて田に入る子供が
父から苗をもらっている ....
風吹き渡る
夏の風景を焼き付けるため
できるだけたくさん
花の名前を覚えようと思う
この道を行けばどこの辻に出て
そこには誰が住んでいて
何を思っているのか
そんなことも覚えていよう ....
野の花に
名前などあるはずがないと
思うようなあなたなのに
振り向いて欲しいのは何故
ここにいる、ここにいる、と
声を限りに叫んだとき
それを感じ、立ち止まってくれたのは
「花を愛す ....