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この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい
この手が
いくつもいくつも ....
つきと金星のあいだに
カチャリと流れていったものが一瞬をすぎて
それは未来のような行方で
幸せとか苦しいとかというものと別次元
何もない世界のもとにある、わたし
すべての動作や感情を ....
雨の降りそうな赤い夕立前に
背中だけ次々落ちてきた
それはいつも誰か
夜の底辺、まどわされる時間へ
ふかした歌を染み付かせていて くたびれていて
もう煙らないんだ
もう静まないんだ
....