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朝まで降り積もった骨を
川へ捨てにいきます

冷たく軋みながら
空の色が
川下へ流れていきます

家に帰ると
また同じ数の骨が
降り積もっています

はる ....
元旦の朝
目覚めると
枕もとに息子が
座ってました

いつからそこにいたの
と尋ねると
わからない
と笑うので
不思議な気がしました

それから
お雑煮の餅を
小 ....
 
 
父が釣りに連れてってくれた
それから数日後か
数ヵ月後か
数年後なのか
忘れてしまったけれど
近所のおじさんか
同級生か
はたまたいもしない
兄なのか
とんびなのか
カ ....
 
 
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった

命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった

命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
 
 
ふとわたしはある予感がして
お風呂場へ走ってゆく
扉を開ければ片隅にいる
たわしは新しいたわしに
買いかえられていた

お風呂掃除係のわたしに
ぼろぼろになるまで付き合ってく ....
 
 
健康診断の結果
肺に小さな影がありますと書かれていた
早く再検査に行きたかったけど
仕事も忙しくて
時々そのことを思い出しては忘れ
思い出すと泣きたくなる夜もあった
実際泣いた ....
 
かなしみに
慣れてしまったなら
ほんとうの
かなしみなんて知らない

かなしみが
暮らしになったなら
かなしみは
いつもともだち

ほんとうの
かなしみを
ひた隠しにした ....
 
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
盆地を走る列車に乗って
窓から景色を眺めると
かつて僕の世界には
奥行きと幅
高さだけがあったのだ

あの山の並々に
目指す高さがあったのだ

今はその山の向こうの
知らない海が
 ....
週末
接待のため夜中に帰った
けっこう酔っていて
おみやげに肉まんを買って帰った

あっくんが起きてたら
一緒に食べたかったのに

と、言おうとしたのに

あっくんが生きてた ....
とりあえず
と言って別れたあと
事故にあった

病床で
痛みに耐えて
うなされながらも
とりあえず
と寝言を言ったらしい

意識が戻って
何か食べたいものある
と聞かれたと ....
野球を見に行った

試合の途中
本日の入場者数がアナウンスされて
僕が生まれ育った町の人口ほどだった

思わず観客席を見回すと
そこには
懐かしい人ばかりいるような気がした

当 ....
目を失って
泣いてる

湖に
人の顔が
映ってる

雲一つない
空なのに
胡麻が大好きで
ついに胡麻になってしまった

喜んでいたのもつかの間
胡麻は胡麻好きな人に
食べられてしまった

それがはたして
人だったのかどうかは
定かではない

いずれ ....
同じ高さの
等高線を歩いてたら
あなたに出会ったので
二人は等高線を
同じ色で塗り潰した

眼下には
果樹園の地図記号が
広がっていた
まるで恋のように

山頂を示す記号は
 ....
肩と肩を結ぶ橋がある
とても近いのに
隔たれた距離を
牛が渡って埋めに行く

雲はあんなに白いのに
空の青さはこんなにも切ない
橋から見える景色が
いつもそうだったように
この部屋も ....
やさしくされるたびに
真冬の鯉になってみせた
一番深い底のあたりで
ひげだけ動かして
じらしてみたりした

春になり
浅いところに出ると
やさしい人は
もういなかった
かわりにたく ....
クリスマスの
イルミネーションの陰には
忍者がひそんでいて
みんなのおこないや
愛の深さを偵察しているのでござる

担当する区域を
偵察し終えると忍者は
忍び足で誰に気づかれることもな ....
アンテさんの小川 葉さんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬風- 小川 葉自由詩310-1-10
天使の演習- 小川 葉自由詩510-1-4
蝌蚪- 小川 葉自由詩609-11-18
みっつ- 小川 葉自由詩809-9-5
新しいたわし- 小川 葉自由詩509-3-29
日常の味- 小川 葉自由詩709-3-27
遠距離バス- 小川 葉自由詩509-2-21
僕らの休日- 小川 葉自由詩16*08-9-17
盆地- 小川 葉自由詩7*08-5-10
三人家族- 小川 葉自由詩708-4-24
とりあえず- 小川 葉自由詩208-4-20
野球観戦- 小川 葉自由詩1208-4-15
天気雨- 小川 葉自由詩108-3-4
胡麻- 小川 葉自由詩208-2-28
地図- 小川 葉自由詩208-2-10
橋の途中- 小川 葉自由詩308-2-9
真冬の鯉- 小川 葉自由詩508-1-2
クリスマスは忍者でござる- 小川 葉未詩・独白8*07-12-24

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