すべてのおすすめ
マダムヤーンは綺麗な人で
いつも小さな
花柄のブラウスを着ていた
ほんのり香る花の香水をして
静かに笑う人だった
ある日マダムヤーンのもとに
小さな蝶々がやってきた
蝶々は羽根を休め ....
たとえばそれは力
真夏の様な
太陽の力
たとえばそれは優しさ
潮騒の様な
海の力
たとえばそれは喜び
金の稲穂の様な
大地の力
裸足で地面に立ち
両手に海をすくい
肌 ....
まっすぐ投げてくる君の言葉では
あまりにも強すぎて受け取れないんだ
気持ちを言葉にすればするほど
一つずつ嘘つきに消えていくから
なぜ、なに、どうして
言葉が花に出来るなら
君の口 ....
月は満ち夜が来て
花の傍に居たはずの何かは
綺麗に溶けて夜に闇をたしました
いくら伸ばしても届かない何かに
綺麗に溶けてしまった闇に
それでも腕を揺らしながら考えます
闇の中に自分 ....
海に沈んだ小さな舟に
太陽は容赦なく照りつけ
次第に意識は輪郭を無くして行った
いや
輪郭を無くしたのは
僕の方だったのかもしれない
ある雨上がり
水たまりに足をつけたら
その ....
すこし昔の話をしよう
僕らがまだ幼くて
あまりに子供だった時の事を
覚えてるかな
手のひらにのせた楓の葉を
引き裂き 引き裂き
空に舞い上げた日の事を
母さんが好きだった桜の花を
....
ある乙女の回想は花の色だった
淡いピンクや黄色の中の思い出や
緑の花畑に浮かぶ
白い花と初夏の香だった
乙女はその回想の中
長く艶やかな髪を切り落とした
部屋に散らばった長い髪は
まるで ....
おやめなさい
月はあなたに何も教えてはくれません
おやめなさい
風見鶏はあなたに何も教えてはくれません
おやめなさい。
だから
こうして私はこうして月をながめる
だから
こうして私 ....
1 2