すべてのおすすめ
だから
暗中模索・徒手空拳で
俺はIBをつらぬいてゆくぜ
結果がすぐでることなんか積み重ねても
そんな遠くに行けるはずもないだろうから
暗中模索で全然OK
徒手 ....
自殺が話題にされると
じぶんの引き出しに
自殺が入り込んで来る
まさかじぶんが
そんなこと
今は有り得ない
この実感が曖昧なことに
しばらくして気づく
自殺よ、忍び寄らないで
....
黒い河の向こうを
電車の明かりが渡ってゆく
あと6時間もすれば
この街は放射冷却で煙れるだろう
置き去りにしたのは
ぼくの心、それともきみの心のほうなのか
あの電車 ....
希望は与えられている
悲しみは与えられている
ショパンを練習している
テンポの変わるところが
音がほどけてしまってながれない
おなじところで音もわれる
灰色の街で
....
暗中模索の日々のなかを
わたしはきょうも
わたしはあしたも
きょうという日々を生きるだろう
ひとの夢がわたしの夢に沿わないとき
わたしはそのひとを
愚かだと決め ....
恋人いじょう
友達みまんのふたりには
待ち合わせる場所も
繁華街のシャッターのまえ
セブンスターを持ってかざして
立っている
割り切りたいと
そういう欲望 ....
少女のような
その逆のような
真ん中かも知れない
だけど男ではない
助けを呼んでいる
キュンキュンきてる
アマリア・ロドリゲスの
歌声は無垢な群れ
路面の電車、壁と見まがう ....
部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
大阪を発ち東京に向かっていた
車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない
車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の ....
到達点ではないという意味に於いて
私の志す理想は王国にあらず
一部の者たちの人格の磁場にあらず
王国とは自らの理想郷を言う
その王国が開かれたものであるのか否かは
....
まだぼくが幼かったころ
不倫あいてに
星野道夫の旅をする木を読んであげていたことがある
あいてはそのまま眠りたかったに違いない
まだぼくは幼かったから
からだをいたわるふりをして
あいてに ....
きみの言葉を聴いていなかった
ぼくによろめいたきみの寂しさを
聴いていなかったからごめん
サイゼリヤの駐車場で
ホテルにいくまでの時間を過ごした
きみはお父さんのことや
....
夜を待てずに
豚が岸辺に波を見つめる
スティックみたいなあそこ
固く濡らして
川べりの風に女の髪
豚に真珠の月影が
脱獄まえのさいごの笑顔
さよならの癖は ....
見果てぬ夢のカーニバル
砂にかいた城郭の呪文
寄せてはかえす波の調べに
なにを重ねてなにを惑う
きみの瞳に恋している訳ではない
きみの瞳に乾杯したい訳でもない
....
夜を雪がゆっくりとゆく
フケのような
ボールが止まって見えるような
それが地球の速さなら
自転がとっても速いような
女の泣いている気持ちは
少年のとまどう気持ち ....
Y字路にこだまする轍
夜と本気で向き合っていた
暗闇のなかの標
どこかはどこに在るのだろうか
ふたり達が消えてゆく
ひとり達が生まれてゆく
夜に糸が弾いている
....
ギター教室がおわるまで
ぼくは非常階段のおどり場にいた
そこで君の町の夕焼けを見ていた
SEXだけが目的だった
迷惑な目的だったと思う
あの頃のぼくはそんなだった
....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
聞こえるの
まだ悲しくないあの頃
振り向けば
そんな気持ち片づけて笑ってる
遠い
記憶のまだまんなかで
夜道を
祭りのあとみたいに歩く
月明かり
....
窓辺にうつる
あたしの頬が
便箋に文字をしたためる
不惑は遅くて
別々のよるが
哀しみをガラスで仕切る
こんどの夢は
ながすぎたメルヘン
こんどの愛 ....
負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな
ああなりたいと思っているから
いまよりも高いところへ俺はゆく
ああなりたい ....
女を助手席から蹴り出して
さよならをした帰り道
青灰いろが焦げています
秋夜のむこうに燈るのです
燃えたのです
赤いパンティーが棄てられて
ペニスをくわえて貴女 ....
相手とうまくいかないとき
相手はこちらを
じぶんの都合ばかり
押し付けてくる奴だと思っている
こちらはこちらで
相手のことをそう思っている
そんなもどかしさとサヨナ ....
ぼくが通った予備校にはテニスコートがあった
ぼくは予備校の仲間たちとテニスに没頭した
二十年まえの話だ
ぼくらの他に
テニスコートを使用する予備校生はいなかった
ぼくらの異様な熱気に
....
空は夜空ではない
星でもない
宇宙そのものだ
宇宙そのものから
虫の音が
降るように聴こえている
哀しみ
孤独
裏切り
不実
それらは
....
上海から帰国すると
仕事仲間たちと須磨の別宅に向かった
ビジネスになりそうなので
今から徹夜でパワポをつくるのだ
このプロジェクトのスポンサーは
明日しか時間が取れないの ....
まりあ、あーめん
あーべまーてる、まりあ、あーめん
あーべまーてる、まりあ、あーめん
キリスト者はその昔
神の物語に身を重ね
沈黙こそが愛なのだ
神の苦悩に同苦した
....
夕方の終わりを見つめる
夜とはひとつの物質だ
夜とはたぶん雲のようなものだ
幼い頃を
洞窟のようなところから
覗いている
影
影とは雲のことだ
傍観 ....
夜の街から
夕方の終わろうとする街へゆく
帯状に赤黒く焼けたむこうは
焦げたピンクに冷えてゆくようだった
そのうえには透明とブルー
さらには夜が降りていた
夜と ....