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寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
初めて彼の実家にお邪魔したとき感じた
他のひとにとっては些細なこと
それでいて我慢出来ないこと
緊張して過敏になっていた訳じゃない
踏み入れてはならないもの
その家の家族だけが安らげる
ど ....
あなたの理想は
わたしの苦痛
あなたはそれを判ろうとはしない
(寝化粧なんて誰がする
腰に手を当て拳を振り上げて
いつから偉くなったのか
わたしには苦痛そのものなのに
(朝は誰だって眠い ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
....
柵の外には自由が溢れているのに
何故か人は柵の中で生きる
ちょっと跨げば乗り越えられるのに
誰も跨ごうとはしない
自由の身になることを恐れ
しがらみから解き放たれることを拒絶し
狭い柵の中 ....