すべてのおすすめ
誰もいない街の上を
独りの鳥が飛んでいた
色褪せた黄金の街だった
かつて金色の泥流に埋もれて滅んだ
古代の街のようだった
乾いた巨大な植物のなかから
鳥は光の色 ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる
からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
骨が雨を引き寄せる
道が暗く輝いている
聞こえない歌がとどろき
鳥はみな飛び去り
海を隠す林は
ほんの少し涼やかになる
荒地の泥が乾く角度で
天使がかしづいて ....
目を閉じて
目を閉じる前に見た雪が
空へと戻るつづきを見る
白く小さな音を見る
雲の鳥がほどけて落ちて
土の上の鳥になるとき
すれちがう雪の言葉には
ほどける前 ....
光ではないものをずっと見ていた
ゆらめく夜をずっと見ていた
倒れるために在るものばかりが
わたしに向かって近づいてきて
わたしのなかへと消えていった
目の前に
目の前で ....
道端の一本の木に
子どもが何百人も隠れていた
東の方から来たのだという
水がほしいというので
水をあげていたら明け方になった
狭い場所と
大きな音が嫌いだというので ....
冬の陽は降り
地は紫になり
雪は一言に昇る
翼は一瞬を負い
朝を蹴立てて
音は姿を撒いてゆく
雨のつづき
戻らない色
薄目をあけた午後の
窓に映る抱擁
すべ ....
空へ落ちてゆく崖の前で
両腕をひろげなりひびく天使
すべての色が
すべての景が声になる
ひろげた両腕は
ひとつの陽に触れる
もうひとつの陽に触れる
西から来る無数の水無月を ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった
風と風ではないものの境に
あなたは立っていた
空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
自身の無い
既視感の容れ物
底には穴
流れ出る天国
天使の足もと
雪はむらさき
少しだけ燃え残る
風と羽のなかに立っている
目にはふたりの天使がいて
朝のまばたきに言葉を交わした
ある日目覚めるとひとりの天使が
目の下の黒ずんだ荒野に去ってしまっていた
言葉の無い朝の光に
片方 ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....
春日野佐秀さんの木立 悟さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
姿の源_Ⅴ
-
木立 悟
自由詩
2
06-1-15
いろ_てまねく_いろ
-
木立 悟
自由詩
9
05-10-4
水の地
-
木立 悟
自由詩
3
05-7-11
つづき
-
木立 悟
自由詩
2
05-1-6
倒れるもの
-
木立 悟
自由詩
5
04-12-1
ノート(入学式)
-
木立 悟
自由詩
7
04-11-11
天響的黄金
-
木立 悟
自由詩
6
04-3-4
虚羽(うつわ)の天使_Ⅲ
-
木立 悟
自由詩
3
04-1-29
ノート(ふるえ)
-
木立 悟
自由詩
7
03-10-29
ノート(40Y.10・19)
-
木立 悟
未詩・独白
2
03-10-24
ノート(40Y.5・11)
-
木立 悟
自由詩
3
03-10-17
ノート(緑透火)
-
木立 悟
自由詩
17
03-10-6
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する