昔、ネットである人の書いた作品を読んでいたく心傷ついたことがありました。
 数首の短歌が書き込まれていて、一つは我が子の靴を見てその成長を思う、といった内容の歌だったのですが、そのすぐ次に書かれて ....
僕がまだ小学生だった頃。

父と母は毎日の様に喧嘩をしていた。
母は父の稼ぎの少なさを貶し。
父は病弱で働きに出れない母の不甲斐なさを責めた。

『お父さんとお母さん離婚するかも知れない。 ....
ノロウイルスの流行で 
デイサービスの部屋はすっからかん 
いつもにぎわう30人のお婆ちゃん達も 
いつのまにやら5〜6人 

職員は皆マスクをして 
消毒液にひたしたぼろきれで 
あち ....
そこに花がある
名前は知らない
けれども
その花にしかない色がある
それだけあればそれでいい

そこに鳥がいる
名前は知らない
けれども
その鳥にしかない翼がある
それだけあればそ ....
あなたから初めてもらった
可愛いお人形のついたオルゴール
小さな 小さなオルゴール
とても嬉しかったの

机の片隅に そっと飾って
ねじを回すと
踊りだすお人形
綺麗なメロディー流れた ....
うたた寝をしていた 
週末の終電を降りると 
駐輪場に一台 
自転車は倒されていた 

それを黙って立て直し 
冷えたサドルに{ルビ跨=またが}って 
軋んだペダルを今日も漕ぐ

人 ....
冷たい風は
そのまま冷たくて
ぼくの身体を凍えさせてゆくけれど
この寒さを乗り越えなくてはと
ぼくを熱くする

冷たい風は
さらに強くなって
ぼくの身体を固めてゆくけれど
この辛さを ....
ようやく晴れた青空に
風船がひとつふたつ みっつ
きっと誰かの夢にちがいない

あそこの空からも
風船がひとつふたつ

いつの間にか
空には風船でいっぱい
大きいものや小さいもの
 ....
 僕が現代詩フォーラムという詩のサイトと出逢い、自作の詩を載
せ始め様々な人の詩を読むようになってから三年の月日が過ぎた。 
自分の詩作について言えばまだ課題はあるが、只、間違いなく言え
ること ....
雨の中を
迷子の少年が傘を差さずに立っていた
誰かがそばにあったタオルを
子どもに渡してあげた

 人のタオルを勝手に使わないで!

持ち主の声がその場に響く
頭を拭き終えていない少年 ....
本当はあなたと一緒に
花壇を作りたかったのだ
ともに暮らす家だとか
肩を並べてドライブする車だとか
そういったものはどうでもよくて
ただ花壇を作って花を育てたかったのだ

だから花は好き ....
 今、時計の針は、午前二時半を回っている。この深夜に、何故か
僕はあなたに手紙が書きたくなった。(あなた)というのは、特定
の誰かを指しているのではなく、今、この手紙を読んでくださって
いる(あ ....
 昨夜は職場の女たちが集まって慰労会をした。
 一年ぶりだった。
 家計のためにパートタイムで働く女が、自分の楽しみのために一人家を空けるのは、それがたとえ数時間のことであっても容易なことではない ....
失恋は感傷に浸るためにある
そんな捨て台詞
あなたは残し
ひとり、わたしは取り残されて
遠く過ぎ行く機帆船の陰に
絶望の甘い涙を流す
(白い砂浜で貝殻ひとつ拾った
身体の隅々にまで刻まれ ....
明日と書かれた本が
売られていました
中を開けることができないその本が
不思議と気になって
ふと買いました

明日と書かれた本を
買ってきました
中を開けてみるとその本は
不思議にも ....
     Ⅰ

小さな日だまり きらきらと
光のカーテン揺れている
小さな日だまり ゆらゆらと
そこだけ光の輪ができた
誰にも内緒教えない
あれは妖精の輪なんだよ
妖精たちが踊っている ....
雨が降り続く秋の中で
公園のベンチは
誰も腰かけないまま
しっとりと濡れてゆく
何もない無の空間に
わずか一瞬だけ
背もたれにスズメが立ち止まる

雨が降り続く秋の中で
公園のブラン ....
この窓を開けると
いつでも夕暮れを見ることができます
橙色の空と感傷的な思い出たち
それらのものがいつでも見ることができるのです

今真っ赤な夕日が
水平線の彼方に沈んで行きます
あれは ....
風ひとつ
赤い首輪の放浪者
立ち止まって後ろを振り返るのは
淋しさを断ち切るため

お行きよ お行きよ
赤い首輪の旅人よ
風は追い風 君の味方さ
淋しくなんかはないはず

お行きよ ....
おはようございます。
(みつとみ)は晴れた日が続かないと元気がなくなるようです。
そこで。

道ばたで(みつとみ)を見かけたら、
鉢にいれて、水をあげて、
晴れの日はテラスやベランダに置い ....
ムーンは名犬ではなかった
おれが不良にからまれたとき
まっさきに逃げた
のびているおれのそばにきて
目のよこの傷をなめた

ムーンは名犬ではなかった
堀内と土井と高田の
サインの入った ....
  いらっしゃいませ
  
 私は涙のアメ屋さん
  
 このアメはいかがです?
 
 悲しみの涙を集めました
 しょっぱいけれど
 スッキリしますよ?
  
 このアメはいかがで ....
この坂道の途中に
大きな金木犀の木があります
毎年秋になれば
そのやさしい香りに足を止め
この木を植えた人を思います

開け放された窓からは
ピアノの悲しげな音が響きます
赤茶けた壁に ....
チューリップの茎切り落とすきみひとり満たしきれない刑罰として

明日から黄色い花のカップにはお日様だけをそそぐと決めた

春の日と呼んでみたけど私の影はきみの影よりずっと寂しい

長す ....
一枚の葉も無い
一本の細い木のように
突っ張った体がベッドの上に横たわる

焦点の合わない瞳
微かに呼吸する半開きの口
折れ曲がり固まった枝の腕
真っ直ぐに交差した両足
手首に刺した点 ....
 小学校の、ニ、三年位の頃。どっちだったかすっかり忘れてしまったが、ある時担任の先生から、
「お母さん何の仕事しているの」
と言うような質問をされた。僕は当時から視力が悪く一番前の席順が定位置 ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目


君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
今、生きている人間が必ず1度は経験する事柄があります。
全員、おしなべて、例外なく、絶対に、です。

それは、
この世に生まれる事と死ぬ事です。

人は誰でも、必ず親から生まれたから生きて ....
時は風を越えて
嘶く鳥の藻屑を溶かす

はじめて母が「アボジ」「オモニ」と言った今日
はじめて母が自分の言葉に朝鮮を滲ませた

思えば母の話す言葉に朝鮮語はなく
日本の中で生きてきた自分 ....
ゆりえさんのおすすめリスト(110)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
作品が人を傷つける- 渦巻二三 ...散文(批評 ...14+*06-12-29
泣きぼくろ。- もののあ ...自由詩20*06-12-23
もみの木を囲んで_- 服部 剛自由詩7*06-12-20
名前は知らない- ぽえむ君自由詩24*06-12-10
オルゴール- えりす自由詩5*06-12-4
夜道の信号_- 服部 剛自由詩15*06-12-3
冷たい風がぼくを熱くする- ぽえむ君自由詩14*06-12-2
空には風船- ぽえむ君自由詩20*06-11-24
詩人・一期一会_〜序章・誰も知らない一本の大樹について_〜_- 服部 剛散文(批評 ...19*06-11-22
心の迷路は成長している- ぽえむ君自由詩13*06-11-19
花壇のわきで- 佐野みお自由詩506-11-15
詩友への手紙_〜僕とあなたの間に一篇の_詩_を〜___’06 ...- 服部 剛散文(批評 ...15*06-11-12
女が家を留守にするとき- 渦巻二三 ...散文(批評 ...16*06-11-9
冬の蜃気楼- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-11-1
明日と書かれた本- ぽえむ君自由詩10*06-11-1
金色の庭- 未有花自由詩15*06-10-25
雨が降り続く秋の中で- ぽえむ君自由詩16*06-10-23
たそがれ窓- 未有花自由詩13*06-10-20
- 未有花自由詩9*06-10-18
草花(みつとみ)の育て方- 光冨郁也自由詩11*06-10-10
ムーンは名犬ではなかった- しゃしゃ ...自由詩2006-9-10
涙のアメ- 愛心自由詩606-9-5
金木犀- 未有花自由詩25*06-9-3
チューリップ刑罰- 黒田康之短歌8*05-11-11
裸の女- 服部 剛自由詩11*05-10-27
ホステスの母- 日雇いく ...散文(批評 ...15*05-10-10
恋の捨て方- 恋月 ぴ ...自由詩32*05-10-4
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
死ぬ順番- 宮前のん散文(批評 ...18*05-7-21
アボジ- はらだよ ...自由詩604-12-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4