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口に酸素を含んでから
目を閉じて
美しい光景を思い浮かべる
すると酸素は舌の上で
ばらの味の二酸化炭素へ変わる
誰かがわたしに口づけしたときに
いい気持ちにれなるよう
....
老朽化の進んだ体育館は
二階に観客席が付いていて
死んだ蛾や蝉がたくさん落ちていた
わたしは
つま先の赤いうわばきで
それらの死骸を踏み砕き
空へ近づこうとするかのように
一人でそこへの ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
☆
そろそろ着陸する
と云うので
五人の宇宙飛行士たちは
めいめい
色鉛筆や携帯電話や文庫本やマニキュアなどをしまい
いやいやながらも手をつないで
着陸に備えた
しかしそれ ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである
急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....
・
友人に
擬態する癖のある女がいる
よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で
十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
・
曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった
・
フォークを持つと
人 ....
望光憂輔さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(8)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
誰かのことばかり考えている
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吉田ぐん ...
自由詩
7+
07-9-14
赤いうわばきとたいくかん
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吉田ぐん ...
自由詩
25
07-9-7
書店で働くということ
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吉田ぐん ...
自由詩
73*
07-4-25
家族制度(又は宇宙旅行)
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吉田ぐん ...
自由詩
13
07-1-9
種々の理由
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吉田ぐん ...
自由詩
21
07-1-6
癖のある男女
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吉田ぐん ...
自由詩
21
07-1-2
単純な留守番
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吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-12
びょ、ーき
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吉田ぐん ...
自由詩
13
06-10-4
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