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姉は、猿が、親を殺している夢を、夜ごと見ては、
目覚める度に、硝子が砕けるように、怯えていた。
地味な窓から、手を伸ばすと、
裏庭の空き地越しに見える、マッチ箱の家たちは、 ....
優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。
冬の呼吸 ....
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。
静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。
父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
やまびとの散文詩―断片4
緑色の太陽が沈まない夜が、軋み、傾き、唸りを上げて
動揺する、わたしたちの長い旅は続いた。
黄金を隠し持つ禿鷲が棲む不毛の大地は、ときに、わざわざと
道を次々と造 ....
ブライアンさんの前田ふむふむさんおすすめリスト
(6)
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日付
黄色の憧憬−デッサン
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前田ふむ ...
自由詩
19*
08-10-7
白い夏
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前田ふむ ...
自由詩
22*
07-11-3
感傷的な夏より—連弾する午後の夢
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前田ふむ ...
自由詩
33*
07-7-26
停泊する夏
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前田ふむ ...
自由詩
23*
07-6-29
森番—透過する森のなかへ
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前田ふむ ...
自由詩
38*
07-6-6
やまびとの散文詩(二)
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前田ふむ ...
自由詩
6*
06-3-22
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